杖歩行における心血管系の負荷に関する研究
下肢の整形外科的治療後に用いられる補助杖の役割は, 主に患側下肢の免荷でありその杖の選択は荷重の程度によっている. しかし, その対象となる患者は比較的高令であることや心疾患を有する者も少なくないことから, 杖歩行を処方する際には荷重コントロールのみでなく, それによる心血管系への負荷も考慮する必要がある. 荷重の最も少ない状態としての完全免荷歩行に関しては, Baruchら1), の歩行器での免荷歩行に関する研究, McBeathら2), Fisherら3), Pattersonら4), Kathrinsら5)の松葉杖での免荷歩行に関する研究がある. そしてそれらを処方する際の危険性も示唆さ...
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Published in | 理学療法学 Vol. 12; no. 1; pp. 13 - 18 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士協会
10.02.1985
日本理学療法士学会 Japanese Society of Physical Therapy |
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ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.kj00003124597 |
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Summary: | 下肢の整形外科的治療後に用いられる補助杖の役割は, 主に患側下肢の免荷でありその杖の選択は荷重の程度によっている. しかし, その対象となる患者は比較的高令であることや心疾患を有する者も少なくないことから, 杖歩行を処方する際には荷重コントロールのみでなく, それによる心血管系への負荷も考慮する必要がある. 荷重の最も少ない状態としての完全免荷歩行に関しては, Baruchら1), の歩行器での免荷歩行に関する研究, McBeathら2), Fisherら3), Pattersonら4), Kathrinsら5)の松葉杖での免荷歩行に関する研究がある. そしてそれらを処方する際の危険性も示唆されている5). しかし部分荷重歩行に関しては, 我々の知る限りではMcBeathら, Kathrinsらの研究があるだけで, しかも両者とも荷重が体重の10から15%と荷重歩行の最も初期を想定している. そこで今回我々は荷重割合が進んだ場合の部分荷重歩行を想定し, その際の免荷方法の違いが心血管系に及ぼす影響について実験を行ない検討を加えた. |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.kj00003124597 |