減量した肥満女性におけるリバウンドの原因と電話・ニューズレターによる介入効果

「緒言」健康増進施設では専門スタッフが減量プログラムを用いて, 数か月かけて科学的, 効率的な減量を指導するが, 終了後に一度減った体重が増加する, いわゆるリバウンド現象の発現が少なくない. リバウンドとは減量後に体重が増加することで, Rollandら1)は"adiposity rebound"と表現している. 一度減量に成功しても, 減らした体重を再度取り戻すことをリバウンドと呼ぶが, どれだけ戻るか, どの状態をリバウンドというかの定義は, いまだ合意を得ていない. 肥満の継続よりも, リバウンドして体脂肪を増加させることのほうが危険とする報告もある. Rosenb...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 65; no. 1; pp. 21 - 28
Main Author 山口節子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養改善学会 01.02.2007
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ISSN0021-5147

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Summary:「緒言」健康増進施設では専門スタッフが減量プログラムを用いて, 数か月かけて科学的, 効率的な減量を指導するが, 終了後に一度減った体重が増加する, いわゆるリバウンド現象の発現が少なくない. リバウンドとは減量後に体重が増加することで, Rollandら1)は"adiposity rebound"と表現している. 一度減量に成功しても, 減らした体重を再度取り戻すことをリバウンドと呼ぶが, どれだけ戻るか, どの状態をリバウンドというかの定義は, いまだ合意を得ていない. 肥満の継続よりも, リバウンドして体脂肪を増加させることのほうが危険とする報告もある. Rosenbaumら2)は減量後に90~95%の人がリバウンドすると報告しており, また, 減量1年後の体重を調査したものでは, 米国の過去25年間に行われた肥満治療に関するメタアナリシスによる解析結果3)で, 運動と栄養療法で減量した場合でも2.4kg戻っている. 日本人の肥満は欧米人に比べてやや軽く, 食文化や生活の違いにより肥満の治療や予防の方法が異なっている.
ISSN:0021-5147