超高齢者 (90歳以上) の大腿骨近位部骨折術後患者が自宅退院可能となった要因

大腿骨近位部骨折術後の超高齢者(90歳以上)の自宅退院可能とする要因を明らかにすることで退院後のQOL維持・向上に向けた退院支援ができるのではないかと考えた. 退院先に有意な関連が認められたのは, 退院時の歩行可否・自立度, 排泄自立度, 家族が自宅退院を希望していることであった. 歩行可能でも介助が必要であったり, 同居家族がいても日中独居・高齢者のみであると退院先に影響を及ぼすものと考えられ, 日中に子供と同居であれば認知症がある場合や要介護状態でも自宅退院可能になることが示唆された. また, 歩行能力に影響する因子として, 術後7日の歩行可否に関連が認められた. 超高齢者の大腿骨近位部骨...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 72; no. 5; pp. 415 - 420
Main Authors 前田恵美, 小玉幸恵, 矢吹貢一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 31.01.2024
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ISSN0468-2513

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Summary:大腿骨近位部骨折術後の超高齢者(90歳以上)の自宅退院可能とする要因を明らかにすることで退院後のQOL維持・向上に向けた退院支援ができるのではないかと考えた. 退院先に有意な関連が認められたのは, 退院時の歩行可否・自立度, 排泄自立度, 家族が自宅退院を希望していることであった. 歩行可能でも介助が必要であったり, 同居家族がいても日中独居・高齢者のみであると退院先に影響を及ぼすものと考えられ, 日中に子供と同居であれば認知症がある場合や要介護状態でも自宅退院可能になることが示唆された. また, 歩行能力に影響する因子として, 術後7日の歩行可否に関連が認められた. 超高齢者の大腿骨近位部骨折術後患者が自宅退院可能となった要因は, 日中に子供と同居, 歩行・排泄が自立する, 入院時に家族が自宅退院を希望していることである. また, 術後7日に歩行可能であることが, 歩行能力再獲得につながる.
ISSN:0468-2513