日本食品標準成分表2020年版 (八訂) の特徴と活用

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(以下, 成分表2020)の利活用のために, 成分表2020の特徴と活用方法, 特にエネルギーについて解説した. 成分表2020の特徴は(1)冊子版とHP版での公表 (2)そう菜41食品の調理済み流通食品類への増加 (3)エネルギーの算出方法が変更(エネルギー産生栄養素の変更とエネルギー換算係数の変更)されエネルギー値(以下, 2020E)が確からしい値に変更 (4)アミノ酸成分表, 脂肪酸成分表, 炭水化物成分表の充実 (5)成分表2015追補(2016~2019)の検討結果を反映(ナイアシン当量の追加, 新しい食物繊維成分分析法の追加, 解説の充実...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 79; no. 5; pp. 253 - 264
Main Author 渡邊智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養改善学会 01.10.2021
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ISSN0021-5147

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Summary:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(以下, 成分表2020)の利活用のために, 成分表2020の特徴と活用方法, 特にエネルギーについて解説した. 成分表2020の特徴は(1)冊子版とHP版での公表 (2)そう菜41食品の調理済み流通食品類への増加 (3)エネルギーの算出方法が変更(エネルギー産生栄養素の変更とエネルギー換算係数の変更)されエネルギー値(以下, 2020E)が確からしい値に変更 (4)アミノ酸成分表, 脂肪酸成分表, 炭水化物成分表の充実 (5)成分表2015追補(2016~2019)の検討結果を反映(ナイアシン当量の追加, 新しい食物繊維成分分析法の追加, 解説の充実, 表頭の変更等)である. 栄養計算は, 2020Eとそれを計算したエネルギー産生成分を用い, 炭水化物エネルギー比率は引き算により算出する方法が確からしい値に近似する. この値の算出のためには, 成分表2020の編集が必要である. 一方, 栄養計算では, 従来の2015Eとその計算に用いた成分で行う方法や, 2020Eと2015Eの算出に用いた成分で行う方法もある. どの方法で行うかは目的に応じて決定し計算結果には, どの方法かを明記する. 栄養計算を実摂取栄養量に合わせるために, レシピ重量から調理後の成分値が計算できるように, 生100gの調理後重量当たりの成分値を計算し登録しておくと便利である.
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