膝前十字靱帯損傷の膝関節機能を反映する下肢の機能的運動能力評価

健常者59人を対象に下肢の機能的運動能力テスト(FAT)を行った. 評価項目は, 片脚8の字走・片脚段差昇降・片脚反復横跳び・片脚幅跳びの4項目である. さらに, 膝屈伸筋力の測定をCybex IIを用いて行った. FATにおいて, 片脚8の字走・片脚段差昇降・片脚反復横跳びは, 筋力との相関関係が小さかった. 一方, 片脚幅跳びは筋力との相関関係は比較的強かった. FATの各項目の測定値では, 利き脚と非利き脚との差および性差が認められたので, 利き脚と非利き脚の差の絶対値を求めることによって正常値を定める方がよいと考えられた. FATは, 筋力だけでなく下肢の他の機能も反映している可能性も...

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Published in理学療法学 Vol. 18; no. 5; pp. 549 - 553
Main Authors 伊藤浩充, 坂本年将, 市橋則明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 10.09.1991
日本理学療法士学会
Japanese Society of Physical Therapy
Subjects
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.kj00001306375

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Summary:健常者59人を対象に下肢の機能的運動能力テスト(FAT)を行った. 評価項目は, 片脚8の字走・片脚段差昇降・片脚反復横跳び・片脚幅跳びの4項目である. さらに, 膝屈伸筋力の測定をCybex IIを用いて行った. FATにおいて, 片脚8の字走・片脚段差昇降・片脚反復横跳びは, 筋力との相関関係が小さかった. 一方, 片脚幅跳びは筋力との相関関係は比較的強かった. FATの各項目の測定値では, 利き脚と非利き脚との差および性差が認められたので, 利き脚と非利き脚の差の絶対値を求めることによって正常値を定める方がよいと考えられた. FATは, 筋力だけでなく下肢の他の機能も反映している可能性も考えられるので, 下肢の機能的運動能力評価として有効であると考えられた.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.kj00001306375