工具母材表面粗さがPVDコーティングの密着特性に及ぼす影響 第2報:コーティング被膜とすくい面粗さが切削特性に及ぼす影響

本報では、エンドミルのすくい面の表面粗さを変化させたと想定した超硬チップを用いて、その表面粗さがコーティングの密着性にどのような影響を及ぼすかについて検討した。研削砥石の粒度♯230~♯1500を用いて研削加工を行った超硬チップにTiAlN皮膜、CrSiN皮膜およびTiSiN被膜を被覆し、旋削による連続加工においてすくい面の凝着状態と加工面の表面粗さおよび切削抵抗の測定を行って検討した。その結果、切りくず生成において刃先稜線近傍部および刃先稜線から離れた部位のすくい面における最適な研削面粗さは異なることが明白になった。このことは、切削時における被削材への食付き性とすくい面上を流出する切りくずと...

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Published in砥粒加工学会誌 Vol. 55; no. 1; pp. 48 - 53
Main Authors 古野, 真弘, 北嶋, 弘一, 佃, 陽介, 赤松, 猛史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 砥粒加工学会 01.01.2011
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Summary:本報では、エンドミルのすくい面の表面粗さを変化させたと想定した超硬チップを用いて、その表面粗さがコーティングの密着性にどのような影響を及ぼすかについて検討した。研削砥石の粒度♯230~♯1500を用いて研削加工を行った超硬チップにTiAlN皮膜、CrSiN皮膜およびTiSiN被膜を被覆し、旋削による連続加工においてすくい面の凝着状態と加工面の表面粗さおよび切削抵抗の測定を行って検討した。その結果、切りくず生成において刃先稜線近傍部および刃先稜線から離れた部位のすくい面における最適な研削面粗さは異なることが明白になった。このことは、切削時における被削材への食付き性とすくい面上を流出する切りくずとの接触面積がそれぞれ影響を及ぼしていることがわかった。
ISSN:0914-2703
1880-7534
DOI:10.11420/jsat.55.48