先天性気管狭窄症患者の術後管理 鎮静方法を中心に

先天性気管狭窄(congenital tracheal stenosis; CTS)6例の術後管理を経験し,術後鎮静に関して多少の知見を得たので報告する。術後10日目までは吻合部の安静を保ち気道出血を防止するため筋弛緩薬を併用した深い鎮静が重要と考えられた。10日目以降は調節性が優れているイソフルランを加え,気管支鏡(以下BFS)を用いて積極的に肺理学療法を施行し呼吸器合併症を防止した。抜管前後は気管気管支軟化症,気道分泌物過多,呼吸筋疲労を抑え抜管を成功させるために引き続き鎮静を必要とする症例が多かった。抜管前後の鎮静方法については未だ十分に確立できておらず,さらに症例の経験・研究が必要と考...

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Published in日本集中治療医学会雑誌 Vol. 3; no. 4; pp. 263 - 268
Main Authors 杉本, 匡弘, 吉矢, 生人, 萩平, 哲, 妙中, 信之, 川瀬, 朋乃, 藤野, 裕士, 西村, 信哉, 池田, 恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本集中治療医学会 01.10.1996
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ISSN1340-7988
1882-966X
DOI10.3918/jsicm.3.263

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Summary:先天性気管狭窄(congenital tracheal stenosis; CTS)6例の術後管理を経験し,術後鎮静に関して多少の知見を得たので報告する。術後10日目までは吻合部の安静を保ち気道出血を防止するため筋弛緩薬を併用した深い鎮静が重要と考えられた。10日目以降は調節性が優れているイソフルランを加え,気管支鏡(以下BFS)を用いて積極的に肺理学療法を施行し呼吸器合併症を防止した。抜管前後は気管気管支軟化症,気道分泌物過多,呼吸筋疲労を抑え抜管を成功させるために引き続き鎮静を必要とする症例が多かった。抜管前後の鎮静方法については未だ十分に確立できておらず,さらに症例の経験・研究が必要と考えられた。
ISSN:1340-7988
1882-966X
DOI:10.3918/jsicm.3.263