トレッドミルテストで運動誘発性冠攣縮性狭心症と診断できた心室細動蘇生後の1症例

症例: 56歳, 男性. 現病歴: 2010年6月, ウォーキング中に突然倒れbystander CPRと救急隊による自動体外式除細動器(AED)で心室細動(VF)から回復した. 心臓カテーテル検査では冠動脈に有意狭窄なく, 心臓超音波検査, 造影心臓MRIの結果と併せて, 当初は肥大型心筋症が疑われていた. 第18病日に植込み型除細動器(ICD)を植え込み, 後日, アミオダロン内服下でトレッドミルテストを行ったところ, ST変化と非持続性心室頻拍が誘発されたため, ビソプロロールを追加した. 再度の運動負荷試験では, さらに早い段階で同様の反応が出現したため, 運動誘発性冠攣縮性狭心症(C...

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Published in心臓 Vol. 43; no. SUPPL.2; pp. S2_145 - S2_148
Main Authors 宮永, 哲, 柴山, 健理, 角田, 聖子, 鈴木, 健一朗, 堤, 穣志, 村上, 彰通, 中田, 耕太郎, 鈴木, 輝彦, 仲野, 陽介, 吉田, 裕志, 宮本, 敬史, 遠藤, 彰, 石川, 哲也, 武藤, 誠, 今井, 嘉門
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2011
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Summary:症例: 56歳, 男性. 現病歴: 2010年6月, ウォーキング中に突然倒れbystander CPRと救急隊による自動体外式除細動器(AED)で心室細動(VF)から回復した. 心臓カテーテル検査では冠動脈に有意狭窄なく, 心臓超音波検査, 造影心臓MRIの結果と併せて, 当初は肥大型心筋症が疑われていた. 第18病日に植込み型除細動器(ICD)を植え込み, 後日, アミオダロン内服下でトレッドミルテストを行ったところ, ST変化と非持続性心室頻拍が誘発されたため, ビソプロロールを追加した. 再度の運動負荷試験では, さらに早い段階で同様の反応が出現したため, 運動誘発性冠攣縮性狭心症(CSA)を疑った. 左冠動脈はアセチルコリン20µg負荷で#6 100%狭窄を含むmulti spasmとなり, 運動誘発性CSAによりVFへいたったと考えた. 硝酸薬, Ca拮抗薬に変更してからは運動負荷試験でST変化やPVCが出現しなくなったことを確認した. 以後, 約5カ月の外来経過観察でも, 心室頻拍(VT)· VFの再発は認められていない. まとめ: トレッドミルテストで薬効評価を繰り返す中で, 運動誘発性CSAと診断できた症例を経験したので報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.S2_145