顎関節内障に対するテーブル型ピボットスプリントの適応と治療成績

顎関節内障患者に対して, 接触挙上部をテーブル形態に改良したピボットスプリントを以下の目的に適応した。 1) クローズドロックの解除。 2) クローズドロックに対する徒手的円板整位術 (Manipulation Technique) 施行後の維持, 再発防止。 3) クローズドロックに対する上関節腔パンピングを併用した徒手的円板整位術施行後の維持, 再発防止。 4) 他のスプリント療法に抵抗する開口末期クリッキング症例における円板転位の改善。 1) については23例の片側性クローズドロック例に適用し, 6例 (26%) にロックの解除が得られ, 17例 (74%) では無効であった。 2) に...

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Published in日本顎関節学会雑誌 Vol. 2; no. 1; pp. 71 - 78
Main Authors 近藤, 寿郎, 堀中, 昌明, 中村, 慎, 田中, 延幸, 鹿島, 隆正, 鈴木, 聡, 瀬戸, 皖一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 30.06.1990
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Summary:顎関節内障患者に対して, 接触挙上部をテーブル形態に改良したピボットスプリントを以下の目的に適応した。 1) クローズドロックの解除。 2) クローズドロックに対する徒手的円板整位術 (Manipulation Technique) 施行後の維持, 再発防止。 3) クローズドロックに対する上関節腔パンピングを併用した徒手的円板整位術施行後の維持, 再発防止。 4) 他のスプリント療法に抵抗する開口末期クリッキング症例における円板転位の改善。 1) については23例の片側性クローズドロック例に適用し, 6例 (26%) にロックの解除が得られ, 17例 (74%) では無効であった。 2) については35例で適用し, 16例 (46%) で再発なく維持に成功した。19例 (54%) ではロックの再発をみた。 3) については23例に適用し, 19例 (82%) で再発なく維持に成功した。4例 (18%) ではロックの再発を認めた。 4) については17例の片側性開口末期クリッキング例に適応した。9例 (53%) においてクリッキング発生時期が開口初開期ないし中期へと変化した。治療経過中クリッキングの消失例はみられなかった。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu1989.2.71