顎関節内障に対する外科処置の評価
近年, 顎関節内障に対する外科療法は関節鏡視下剥離授動術, 関節円板整位術, 関節円板切除術の三つの術式が主体となっているが, それぞれの術式を選択するにあたりその基準は明らかではない。そこで, まず顎関節内障を米国顎関節外科学会が提唱する病期分類基準にて症例を分類し, 各stageに対する関節円板整位術と関節円板切除術の術後成績を比較検討した。症例の内訳はstage IIIが5例, stage IVが3例, stage Vが4例であった。術式はstage III, IVには関節円板整位術をstage Vには関節円板切除術および耳介軟骨移植術を選択した。評価は開口度の改善量, 開口度改善率 (...
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Published in | 日本顎関節学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 45 - 52 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本顎関節学会
20.05.1995
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Summary: | 近年, 顎関節内障に対する外科療法は関節鏡視下剥離授動術, 関節円板整位術, 関節円板切除術の三つの術式が主体となっているが, それぞれの術式を選択するにあたりその基準は明らかではない。そこで, まず顎関節内障を米国顎関節外科学会が提唱する病期分類基準にて症例を分類し, 各stageに対する関節円板整位術と関節円板切除術の術後成績を比較検討した。症例の内訳はstage IIIが5例, stage IVが3例, stage Vが4例であった。術式はstage III, IVには関節円板整位術をstage Vには関節円板切除術および耳介軟骨移植術を選択した。評価は開口度の改善量, 開口度改善率 (改善開口量 (mm)/術前開口量 (mm)×100), 疼痛の度合は顎機能時における痛みをVAS (Visual Analogue Scale of Pain: 0-10点) で評価し, VAS改善量, VAS改善率 (VAS改善量 (点)/術前VAS (点)×100), および米国口腔外科学会の判定基準にて行った。結果は12症例とも有効以上であった。しかし, 開口量, VASの比較においてはstage IVに関節円板整位術を施行した症例が他に比較して良好とは言えなかった。したがって, stage IVの症例には関節円板の切除が必要な場合もあることが示唆された。 |
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ISSN: | 0915-3004 1884-4308 |
DOI: | 10.11246/gakukansetsu1989.7.45 |