外来患児を対象としたCKアイソザイム分画値の年齢に依存した変動について

Creatine kinase(EC2.7.3.2,CK)は, 分子量が約40,000のMサブユニットとBサブユニットから構成される2量体で, これらの結合様式により通常CK-MM, CK-MB, CK-BBの3つのアイソザイムが検出される1). またこのほかに, ミトコンドリア由来のCK(m-CK)が確認されている2). これらのCKアイソザイムの臨床的意義については, 心筋梗塞や進行性筋ジストロフィー症をはじめとする筋疾患などの指標として利用されている1). 一方, CKアイソザイムの基準値に関しては報告が少なく, 特に小児を対象としたCKアイソザイム分画の年齢別の基準値は, わが国におい...

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Published in生物物理化学 Vol. 43; no. 1; pp. 39 - 42
Main Authors 星野忠, 熊坂一成, 河野均也, 菰田二一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本電気泳動学会 1999
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ISSN0031-9082

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Summary:Creatine kinase(EC2.7.3.2,CK)は, 分子量が約40,000のMサブユニットとBサブユニットから構成される2量体で, これらの結合様式により通常CK-MM, CK-MB, CK-BBの3つのアイソザイムが検出される1). またこのほかに, ミトコンドリア由来のCK(m-CK)が確認されている2). これらのCKアイソザイムの臨床的意義については, 心筋梗塞や進行性筋ジストロフィー症をはじめとする筋疾患などの指標として利用されている1). 一方, CKアイソザイムの基準値に関しては報告が少なく, 特に小児を対象としたCKアイソザイム分画の年齢別の基準値は, わが国においては(財)日本公衆衛生協会がまとめた日本人小児の臨床検査基準値(小児基準値研究班編)3)のみと思われるが, m-CKについてはふれられていない. 今回われわれは, 外来患児を対象にセルロースアセテート膜電気泳動によるCKアイソザイム分析を行い, m-CKを含む各CKアイソザイムの分画値を年齢別に調査したのでその成績を報告する.
ISSN:0031-9082