若年成人女性の基礎代謝量と身体組成
「緒言」「日本人の食事摂取基準(2005年版)」(Dietary Reference Intakes for Japanesq2005:以下DRIs-J)では1日の推定エネルギー必要量を算出する際に,各自の体重に基礎代謝基準値を掛け合わせて求めた基礎代謝量(Basal metabolic rate:BMR)に身体活動レベル(Physical activity level:PAL)を乗じて求めている1).このように,1日の推定エネルギー必要量を求めるためにはBMRが主な要因であり,重要である2).現在使用されている基礎代謝基準値は,1969年に改定された日本人の栄養所要量の値で示されたものを使っ...
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Published in | 栄養学雑誌 Vol. 65; no. 5; pp. 241 - 247 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本栄養改善学会
01.10.2007
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ISSN | 0021-5147 |
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Summary: | 「緒言」「日本人の食事摂取基準(2005年版)」(Dietary Reference Intakes for Japanesq2005:以下DRIs-J)では1日の推定エネルギー必要量を算出する際に,各自の体重に基礎代謝基準値を掛け合わせて求めた基礎代謝量(Basal metabolic rate:BMR)に身体活動レベル(Physical activity level:PAL)を乗じて求めている1).このように,1日の推定エネルギー必要量を求めるためにはBMRが主な要因であり,重要である2).現在使用されている基礎代謝基準値は,1969年に改定された日本人の栄養所要量の値で示されたものを使っている3)が,この基礎代謝基準値は主に1950年代に測定されたデータを基に定められている.当時(1950,57,59年)の20歳代女性の体重と身長の平均値はそれぞれ49.5kg,151.0cm4)であったが,現代の20歳代女性ではそれぞれ50.9kg,158.3cm5)であり,体重には差がないが,身長は高くなっている.BMRには身体組成が大きな影響を与えることが知られているが6~8),このような体格の変化による身体組成の変化により,BMRが変化している可能性がある.そこで,本研究では現代の若年女性のBMRと身体組成を測定し,DRIs-Jの基礎代謝基準値策定の基となった基礎代謝量測定9~11)と同時期の1958~1960年の間に行われたNagamine and Suzuki12)によって報告されている若年女性の身体組成と,BMRのデータ(以下先行研究)を比較することにより,DRIs-Jで用いられている基礎代謝基準値の妥当性を検討することを目的とした. |
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ISSN: | 0021-5147 |