信州大学医学部附属病院で最近20年間に行われた原発性肺癌手術症例の臨床的特徴の変遷
I はじめに 我が国では1998年以降, 肺癌死亡率は男女計で全悪性腫瘍死の1位を占め1), 年々増加傾向にある. また, 胸部CT検診の普及2)-5), 胸腔鏡下肺葉切除の浸透6)7), 術後補助化学療法の再評価8)-12)など, 肺癌手術療法を取り巻く環境は近年大きく変化している. 最近の肺癌手術症例の臨床的特徴を過去と比較し検討することは, 今後の肺癌治療戦略を考える上で重要と思われるため, 今回我々は当教室における過去20年間の肺癌切除症例の臨床的特徴の変遷を検討した. II 対象と方法 信州大学医学部附属病院では1985年より肺癌切除症例が年間20例を超え, 1985年1月から199...
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Published in | 信州医学雑誌 Vol. 56; no. 1; pp. 17 - 28 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
信州医学会
2008
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-3826 |
Cover
Summary: | I はじめに 我が国では1998年以降, 肺癌死亡率は男女計で全悪性腫瘍死の1位を占め1), 年々増加傾向にある. また, 胸部CT検診の普及2)-5), 胸腔鏡下肺葉切除の浸透6)7), 術後補助化学療法の再評価8)-12)など, 肺癌手術療法を取り巻く環境は近年大きく変化している. 最近の肺癌手術症例の臨床的特徴を過去と比較し検討することは, 今後の肺癌治療戦略を考える上で重要と思われるため, 今回我々は当教室における過去20年間の肺癌切除症例の臨床的特徴の変遷を検討した. II 対象と方法 信州大学医学部附属病院では1985年より肺癌切除症例が年間20例を超え, 1985年1月から1994年12月までの10年間に同院で肺切除が施行された肺癌248例(前期)と1995年1月から2004年12月までに同院で手術された肺癌701例(後期)について, 年齢・性別・発見動機・組織型および分化度・腫瘍径・術式・病理病期・予後に関して比較検討した. |
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ISSN: | 0037-3826 |