介入研究による農村部在宅高齢者に対する転倒予防教室の検討
「要旨」本研究の目的は, 農村部在宅高齢者を介入群と対照群に分け, 筋力向上運動, バランス向上運動を主とした運動プログラムの効果を両群間で比較検証することである. 新潟県加治川村における60歳以上の在宅自立高齢者52名を年齢でマッチングして介入群29名, 対照群23名の2群に無作為に分けた. 6ヶ月後に再調査できた介入群25名, 対照群18名の計43名(82.7%)について比較した. 介入群には, 筋力向上運動, バランス向上運動を中核とした7種目の運動と歩行運動(散歩)を実施した. 対照群には, 月1回のレクリェーションを行った. 調査は, 介入前の調査・測定, 介入の実施, 介入後の調査...
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Published in | 新潟医療福祉学会誌 Vol. 5; no. 1; pp. 18 - 26 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
新潟医療福祉学会
2005
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ISSN | 1346-8774 |
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Summary: | 「要旨」本研究の目的は, 農村部在宅高齢者を介入群と対照群に分け, 筋力向上運動, バランス向上運動を主とした運動プログラムの効果を両群間で比較検証することである. 新潟県加治川村における60歳以上の在宅自立高齢者52名を年齢でマッチングして介入群29名, 対照群23名の2群に無作為に分けた. 6ヶ月後に再調査できた介入群25名, 対照群18名の計43名(82.7%)について比較した. 介入群には, 筋力向上運動, バランス向上運動を中核とした7種目の運動と歩行運動(散歩)を実施した. 対照群には, 月1回のレクリェーションを行った. 調査は, 介入前の調査・測定, 介入の実施, 介入後の調査測定の流れで行った. その結果, 介入群の10m全力歩行の分速・歩幅, 膝伸展筋力トルク値, 対照群の最大1歩幅左側, 10m全力歩行の分速・歩幅・歩行率, 膝伸展筋力トルク値が有意に改善した. ただし, 転倒, 社会生活及び疾病のアンケート調査では両群間に有意差は認められなかった. 介入群, 対照群がともに改善したことによって, 運動プログラムの効果を明確にできなかった. 今後, 効果を明確に検証するためには, (1)参加者の抽出方法, (2)参加地域を日常的に交流のない地域にする, (3)対象者数を増やす, (4)運動負荷量の把握, といった課題があげられた. |
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ISSN: | 1346-8774 |