佐賀県におけるジャガイモ粉状そうか病の多発事例

佐賀県上場地域の1983年春作栽培のジャガイモに,Spongospora subterranea (WALL.) LAGERHEIMによるジャガイモ粉状そうか病が発生した。多発ほ場はクロルピクリン消毒を行ったほ場に限られ,なかでも消毒後ビニール被覆を行った部分での発生が激しかった。しかし,同一ほ場内の無消毒部分では極めて発生が少なかった。一方,春作の塊茎肥大前期は乾燥状態が続いたが中期は極めて降雨が多く本病の発生条件によく一致していた。以上のことから、本病の特異的な多発生はクロルピクリン消毒ほ場に罹病種いもが持ち込まれ本病原菌が急激に蔓延し,さらに気象要因も加わったことによるものと考えられる。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in九州病害虫研究会報 Vol. 30; pp. 27 - 29
Main Authors 田代, 暢哉, 松尾, 良満
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州病害虫研究会 1984
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:佐賀県上場地域の1983年春作栽培のジャガイモに,Spongospora subterranea (WALL.) LAGERHEIMによるジャガイモ粉状そうか病が発生した。多発ほ場はクロルピクリン消毒を行ったほ場に限られ,なかでも消毒後ビニール被覆を行った部分での発生が激しかった。しかし,同一ほ場内の無消毒部分では極めて発生が少なかった。一方,春作の塊茎肥大前期は乾燥状態が続いたが中期は極めて降雨が多く本病の発生条件によく一致していた。以上のことから、本病の特異的な多発生はクロルピクリン消毒ほ場に罹病種いもが持ち込まれ本病原菌が急激に蔓延し,さらに気象要因も加わったことによるものと考えられる。
ISSN:0385-6410
1884-0035
DOI:10.4241/kyubyochu.30.27