球面上の再帰性反射材による回折光に関する考察 映像水中光伝送における位置ずれ検出のための基礎実験

提案する映像水中光伝送システムは,潜水艇の近くに中継装置を置き,映像を潜水艇から可視光で中継装置に送り,さらに光ファイバで洋上の船まで伝送する.可視光区間では出射ビームが中継装置に常に当たるよう,光送信器の四隅から正弦波で変調した光ビームを球形の中継装置に送り,表面の再帰性反射材で反射した光強度を4個の受光器を用いて比較することにより位置ずれを検出する.再帰性反射材は入射方向により反射率が異なるので光送信器や中継装置が動くと検出性能が劣化する恐れがあるが,提案システムを設計するために必要な観測角特性は明らかではない.そこで本論文では再帰性反射材によるフラウンフォーファー回折の解析を行い,多数の...

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Published in映像情報メディア学会誌 Vol. 70; no. 3; pp. J80 - J87
Main Authors 前田, 幹夫, 木村, 洋介, 扇田, 恵梨菜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 映像情報メディア学会 2016
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ISSN1342-6907
1881-6908
DOI10.3169/itej.70.J80

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Summary:提案する映像水中光伝送システムは,潜水艇の近くに中継装置を置き,映像を潜水艇から可視光で中継装置に送り,さらに光ファイバで洋上の船まで伝送する.可視光区間では出射ビームが中継装置に常に当たるよう,光送信器の四隅から正弦波で変調した光ビームを球形の中継装置に送り,表面の再帰性反射材で反射した光強度を4個の受光器を用いて比較することにより位置ずれを検出する.再帰性反射材は入射方向により反射率が異なるので光送信器や中継装置が動くと検出性能が劣化する恐れがあるが,提案システムを設計するために必要な観測角特性は明らかではない.そこで本論文では再帰性反射材によるフラウンフォーファー回折の解析を行い,多数のLED光源を用いる場合には単一光源と比べて入射角の方向性による影響が緩和されることを明らかにした.また,再帰性反射材をプリズムの配列方向がランダムとなるように球面に貼ることにより,位置ずれ検出性能をさらに改善できる見通しを実験により明らかにした.
ISSN:1342-6907
1881-6908
DOI:10.3169/itej.70.J80