男子淋菌性尿道炎を対象としたsitafloxacinの一般臨床試験

ニューキノロン系経口抗菌薬であるsitafloxacin (STFX) の男子淋菌性尿道炎に対する有効性および安全性を瀬踏み的にSTFX200mg単回経口投与により検討した。臨床効果はUTI薬効評価基準 (第4版暫定案) 追補に従って判定した。 総合臨床効果の有効率は750%(9/12) であった。本試験で分離されたNeisseria gonorrhoeae12株に対するSTFXのMICは0.001μg/mL以下から0.25μg/mLに分布し, MICが0.25μg/mLの株が3株認められた。N. gonorrhoeaeの消失率は75.0%(9/12) であった。MIC別の消失率は, STFX...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 56; no. Supplement1; pp. 146 - 153
Main Authors 小野寺, 昭一, 堀, 誠治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 10.04.2008
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.56.Supplement1_146

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Summary:ニューキノロン系経口抗菌薬であるsitafloxacin (STFX) の男子淋菌性尿道炎に対する有効性および安全性を瀬踏み的にSTFX200mg単回経口投与により検討した。臨床効果はUTI薬効評価基準 (第4版暫定案) 追補に従って判定した。 総合臨床効果の有効率は750%(9/12) であった。本試験で分離されたNeisseria gonorrhoeae12株に対するSTFXのMICは0.001μg/mL以下から0.25μg/mLに分布し, MICが0.25μg/mLの株が3株認められた。N. gonorrhoeaeの消失率は75.0%(9/12) であった。MIC別の消失率は, STFXのMICが0.06μg/mL以下の株で100%(8/8) であったが, MICが0.12μg/mL以上のキノロン耐性株で250%(1/4) であった。12株中7株ではcipronoxacinのMICが1μg/mL以上であり, この7株すべてにGyrAとParCのquinolone-resistance-determiningregionsにアミノ酸置換が認められた。このキノロン耐性変異が認められた7株中4株は消失した。 副作用発現率は25.0%(3/12) であった。内訳は下痢, 頭痛, 血中ビリルビン増加が各1例であった。すべての症状の程度は軽度であった。 以上より, STFX200mg単回投与では, キノロン耐性淋菌による尿道炎に対する臨床効果が不十分であると判断した。なお, STFXの200mg単回投与の安全性に問題はないと考えられた。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.56.Supplement1_146