NM394の抗菌力, 髄液中移行および尿路性器感染症におけるNM441の臨床的検討

経口用キノロン系抗菌薬NM441の試験管内抗菌力, 髄液中移行ならびに尿路感染症 (UTI) に対する有用性を検討した。 本剤200mg単回投与 (14例) または連続投与 (6例) 2時間後のNM394の血清中濃度 (μg/ml) は平均でそれぞれ0.65±0.30, 0.82±0.63であったが, 髄液中濃度は連続投与の1例 (0.11) を除き, いずれも測定限界値 (0.05μg/ml) 以下であった。 UTI分離菌11菌種各30株に対するNM394の最小発育阻止濃度を日本化学療法学会標準法で測定し, 対照薬としたofloxacin, tosufloxacinの抗菌力と比較した。グラム...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 44; no. Supplement1; pp. 444 - 450
Main Authors 大井, 好忠, 速見, 浩志, 川原, 和也, 後藤, 俊弘, 北川, 敏博, 川畠, 尚志, 牧之瀬, 信一, 川原, 元司, 今村, 章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.03.1996
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.44.Supplement1_444

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Summary:経口用キノロン系抗菌薬NM441の試験管内抗菌力, 髄液中移行ならびに尿路感染症 (UTI) に対する有用性を検討した。 本剤200mg単回投与 (14例) または連続投与 (6例) 2時間後のNM394の血清中濃度 (μg/ml) は平均でそれぞれ0.65±0.30, 0.82±0.63であったが, 髄液中濃度は連続投与の1例 (0.11) を除き, いずれも測定限界値 (0.05μg/ml) 以下であった。 UTI分離菌11菌種各30株に対するNM394の最小発育阻止濃度を日本化学療法学会標準法で測定し, 対照薬としたofloxacin, tosufloxacinの抗菌力と比較した。グラム陽性球菌に対しては対照薬とほぼ伺等の抗菌力であったが。グラム陰性桿菌に対しては同等以上の抗菌力を示し, Citrobacter freumdii, Enterobacter cloacae, Pseudomonas aernginosaに対しては対照薬よりも2~3段階優れていた。 急性単純性膀胱炎10例, 慢性複雑性UTI15例, 慢性前立腺炎1例を対象に, NM441を1回100~300mg, 1日2~3回, 3~8日間経口投与し, 臨床効果, 安全性を検討した。UTI薬効評価基準に合致した急性単純性膀胱炎8例ではいずれも「有効」以上, 複雑性UTI13例では「著効」9例, 「有効」2例, 「無効」2例で, 有効率84.6%であった。髄液中移行の検討対象とした症例も含め本剤を投与した47例のうち, 1例で投与1日後に病痒感が出現した以外には自他覚的副作用は認められなかった。本剤投与前後に臨床検査が施行された37例のうち, 1例に好酸球の増多, 他の1例にGOT, GPT, LDHの一過性上昇が認められた。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.44.Supplement1_444