気管原発腺様嚢胞癌の1症例

28歳,男性,呼吸困難,喘鳴を主訴として6ヵ月にわたり,喘息として治療してきたが,症状悪化のため内視鏡検査を行い,生検の結果,気管原発の腺様嚢胞癌(Adenoid cystic carcinoma)と判明,手術にて気管内の腫瘍核出,その後気管骨組としてシリコンTチューブを用いた。原因不明の呼吸障害,改善の徴候のない呼吸障害の場合には,早期に内視鏡検査が望まれる。治療では,手術療法のみが根治法であり,腫瘍切除後気管の端端吻合が望ましいが,腫瘍の性格より,気道確保のためのConservative operationも十分考慮に値するものと思われる。...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 39; no. 6; pp. 632 - 635
Main Authors 溝呂木, 紀仁, 本郷, 了
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.12.1996
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo1958.39.632

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Summary:28歳,男性,呼吸困難,喘鳴を主訴として6ヵ月にわたり,喘息として治療してきたが,症状悪化のため内視鏡検査を行い,生検の結果,気管原発の腺様嚢胞癌(Adenoid cystic carcinoma)と判明,手術にて気管内の腫瘍核出,その後気管骨組としてシリコンTチューブを用いた。原因不明の呼吸障害,改善の徴候のない呼吸障害の場合には,早期に内視鏡検査が望まれる。治療では,手術療法のみが根治法であり,腫瘍切除後気管の端端吻合が望ましいが,腫瘍の性格より,気道確保のためのConservative operationも十分考慮に値するものと思われる。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.39.632