当院における急性乳様突起炎について 診断と治療

当院で入院治療を経験した13例の急性乳様突起炎について検討した。 我々は入院治療を必要とする急性乳様突起炎の定義を急性・亜急性中耳炎罹患後に耳後部の腫脹, 発赤, 耳介聳立を認める, 拍動性の耳漏を認める, これらの症状が経口抗生剤を投与しても改善傾向がない, X線乳突蜂巣にびまん性陰影を認めた場合とした。保存的治療を施行した10症例はABPC, Cefem系抗生物質を第1選択とした抗生剤の点滴静注により症状の改善を認めた。耳性側頭骨内合併症を認めた2症例と真珠腫を伴う1症例に対しては早期治療目的で手術を施行した。 急性乳様突起炎の治療は, 合併症がない場合は抗生剤の全身投与を施行し, 合併症...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 35; no. 2; pp. 127 - 132
Main Authors 三宅, 浩郷, 木村, 栄成, 坂井, 真, 福里, 博, 新川, 敦, 高橋, 秀明, 林, 智栄子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.04.1992
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo1958.35.127

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Summary:当院で入院治療を経験した13例の急性乳様突起炎について検討した。 我々は入院治療を必要とする急性乳様突起炎の定義を急性・亜急性中耳炎罹患後に耳後部の腫脹, 発赤, 耳介聳立を認める, 拍動性の耳漏を認める, これらの症状が経口抗生剤を投与しても改善傾向がない, X線乳突蜂巣にびまん性陰影を認めた場合とした。保存的治療を施行した10症例はABPC, Cefem系抗生物質を第1選択とした抗生剤の点滴静注により症状の改善を認めた。耳性側頭骨内合併症を認めた2症例と真珠腫を伴う1症例に対しては早期治療目的で手術を施行した。 急性乳様突起炎の治療は, 合併症がない場合は抗生剤の全身投与を施行し, 合併症を伴う場合は積極的な手術の施行が必要であると考えられた。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.35.127