NM441の臨床第I相試験

健常成人男子を対象としてNM441の臨床第I相試験を実施し, 安全性および体内動態を検討した。 単回投与試験は20, 50, 100, 200および400mgを空腹時に投与し, 連続投与試験は1回300mgを1日2回7日間連続投与した。食事の影響は200mg単回投与で, 同一被験者においてクロスオーバー法にて検討した。 単回投与試験の100mg投与1例に頭痛, 2 00mg空腹時投与1例に頭重感が認められたが, いずれも軽度かつ一過性の症状であった。連続投与試験の1例に血清トランスアミナーゼの軽度上昇が, 別の1例に総 (間接) ビリルビンの上昇が認められたが, それぞれ投与終了7日後, 42...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 44; no. Supplement1; pp. 180 - 206
Main Authors 植松, 俊彦, 中島, 光好, 小菅, 和仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.03.1996
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.44.Supplement1_180

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Summary:健常成人男子を対象としてNM441の臨床第I相試験を実施し, 安全性および体内動態を検討した。 単回投与試験は20, 50, 100, 200および400mgを空腹時に投与し, 連続投与試験は1回300mgを1日2回7日間連続投与した。食事の影響は200mg単回投与で, 同一被験者においてクロスオーバー法にて検討した。 単回投与試験の100mg投与1例に頭痛, 2 00mg空腹時投与1例に頭重感が認められたが, いずれも軽度かつ一過性の症状であった。連続投与試験の1例に血清トランスアミナーゼの軽度上昇が, 別の1例に総 (間接) ビリルビンの上昇が認められたが, それぞれ投与終了7日後, 42日後には投与前値に復した。その他の臨床症状, 理学的所見, 心電図, 臨床検査, 平衡機能検査および脳波には異常は認められなかった。また, 尿中結晶は認められなかった。 空腹時100, 200および400mg単回投与時の抗菌活性体NM394の血漿中濃度は, 投与後0.5~1時間でそれぞれ最高濃度0.68, 1.09, 1.88μg/mlに達し, 半減期7.7~8.9時間で消失した。血漿中濃度曲線下面積は用量とともに増加した。投与後48時間までのNM394累積尿中排泄率はそれぞれ46.0, 38.3, 30.6%であり, その他の代謝物は約7%認められた。唾液中NM394濃度は血漿中濃度の約20%で推移した。400mg単回投与時の投与後72時間までのNM394累積糞中排泄率は52.9%であり, 未変化体NM441も4.2%認められた。 食後投与時の血漿中NM394濃度は, 空腹時投与に比しTmaxがやや遅延したが, Cmax, AUC0~∞および尿中排泄率に差は認められなかった。 300mg1日2回7日間連続投与時の血漿中NM394濃度は, 投与後3~4日目で定常状態に達し, その推移は単回投与から求めた予測値とよく一致した。最終投与後48時間までのNM394累積尿中排泄率は49.0%であった。 以上, NM441は健常成人において良好な忍容性を示し, プロドラッグ型の新しい抗菌剤として吸収も良好で, また連続投与による異常な蓄積も認められないことより, 臨床応用が可能であると判断した。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.44.Supplement1_180