頭頸部進行癌に対する術前化学療法の臨床的効果, 組織学的評価の比較検討
当科では頭頸部進行癌に対しシスプラチン, 5-フルオロウラシルを中心としたNeoadjuvant chemotherapy (NAC) を行っている。1992年6月から1996年5月までの4年間にNAC後, 手術を行った頭頸部進行癌38例に対して臨床的効果と組織学的評価につき検討した。 臨床的Complete Response (CR) となった症例は3例 (8%) で奏功率は29%であった。組織学的CRは5例 (13%) で臨床的CR例に多く含まれていたが, 臨床的Partial Response (PR) 例および臨床的No Change (NC) 例にも1例ずつ存在した。また, 組織学的...
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Published in | 耳鼻咽喉科展望 Vol. 41; no. 6; pp. 597 - 602 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
耳鼻咽喉科展望会
15.12.1998
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9687 1883-6429 |
DOI | 10.11453/orltokyo1958.41.597 |
Cover
Summary: | 当科では頭頸部進行癌に対しシスプラチン, 5-フルオロウラシルを中心としたNeoadjuvant chemotherapy (NAC) を行っている。1992年6月から1996年5月までの4年間にNAC後, 手術を行った頭頸部進行癌38例に対して臨床的効果と組織学的評価につき検討した。 臨床的Complete Response (CR) となった症例は3例 (8%) で奏功率は29%であった。組織学的CRは5例 (13%) で臨床的CR例に多く含まれていたが, 臨床的Partial Response (PR) 例および臨床的No Change (NC) 例にも1例ずつ存在した。また, 組織学的CR例は全例生存しており腫瘍残存が認められた33例と比較して予後は良好であった。臨床的効果判定のsensitivityは40%, specificityは97%であった。sensitivityを高めるためには化学療法施行後も生検を行い, 臨床的効果判定を補う必要があると考えられた。 |
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ISSN: | 0386-9687 1883-6429 |
DOI: | 10.11453/orltokyo1958.41.597 |