呼吸器感染症に対するgatifloxacinの後期第II相臨床試験

新しく開発された新規フルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の呼吸器感染症に対する有効性, 安全性, 有用性および体内動態を検討した。投与量は本薬剤1回100mg, 150mg, 200mgを, 1日1回または2回投与とし, 投与期間は, 急性気管支炎は最長7日間とし, 慢性気道感染症と肺炎は最長14日間投与とした。 1) 臨床効果 臨床効果の解析対象症例は87例で, その内訳は「著効」14例, 「有効」66例, 「やや有効」2例および「無効」5例で, 有効率は92.0%(80/87) であった。 2) 細菌学的効果 細菌学的効果の解析対象症例は34例で, その内訳は「...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 47; no. Supplement2; pp. 277 - 291
Main Author 斎藤, 篤他
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 27.09.1999
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.47.Supplement2_277

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Summary:新しく開発された新規フルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の呼吸器感染症に対する有効性, 安全性, 有用性および体内動態を検討した。投与量は本薬剤1回100mg, 150mg, 200mgを, 1日1回または2回投与とし, 投与期間は, 急性気管支炎は最長7日間とし, 慢性気道感染症と肺炎は最長14日間投与とした。 1) 臨床効果 臨床効果の解析対象症例は87例で, その内訳は「著効」14例, 「有効」66例, 「やや有効」2例および「無効」5例で, 有効率は92.0%(80/87) であった。 2) 細菌学的効果 細菌学的効果の解析対象症例は34例で, その内訳は「陰性化」31例, 「一部消失または減少」1例, 「不変」2例で, 菌陰性化率は91.2%(31/34) であった。 3) 安全性 副作用の解析対象症例は97例で, 副作用発現率は6.2%(6/97) であった。臨床検査値異常の解析対象症例は84例で, 臨床検査値異常発現率は11.9%(10/84) であった。 4) 有用性 有用性の解析対象症例は89例で, 有用率は84.3%(75/89) であった。 5) 体内動態 喀痰中濃度は本薬剤200mgを1日2回反復投与した結果, 投与3日後および投与5日後の第1回目の投与後で2.83~6.94μg/mLを示し, 対血清比は1.60および2.38であった。 以上の結果から, GFLXは高い臨床効果と強い抗菌力および良好な組織移行性が認められ, 呼吸器感染症に対して投与量が1回100~200mgで1日2回投与した場合, 有用かつ満足できるものと考えられた。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.47.Supplement2_277