新キノロン薬grepafloxacinの動物感染モデルにおける投与法の検討

新キノロン薬grepafloxacin (GPFX) の白血球減少マウス大腿感染モデルにおける投与法の検討を行った。黄色ブドウ球菌感染症に対してGPFXはofloxacin (OFLX) と比較して強い殺菌作用と長いeffective regrowthtime (ERT) を示した。肺炎桿菌に対してはOFLXは殺菌作用は優れていたが, 血中半減期が短いためにすぐに再増殖した。GPFXでは投与回数の違いによる極端な菌数の増減はみられず, 24時間後にはOFLXに比しややよい効果を示した。マウスにおけるGPFXとOFLXの皮下投与による薬物動態ではGPFXはOFLXと比較して血漿中のCmaxは低く...

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Published in日本化学療法学会雑誌 Vol. 43; no. Supplement1; pp. 244 - 248
Main Authors 戸塚, 恭一, 長谷川, 裕美, 菊池, 賢, 清水, 喜八郎, 柴田, 雄介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 31.07.1995
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ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.43.Supplement1_244

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Summary:新キノロン薬grepafloxacin (GPFX) の白血球減少マウス大腿感染モデルにおける投与法の検討を行った。黄色ブドウ球菌感染症に対してGPFXはofloxacin (OFLX) と比較して強い殺菌作用と長いeffective regrowthtime (ERT) を示した。肺炎桿菌に対してはOFLXは殺菌作用は優れていたが, 血中半減期が短いためにすぐに再増殖した。GPFXでは投与回数の違いによる極端な菌数の増減はみられず, 24時間後にはOFLXに比しややよい効果を示した。マウスにおけるGPFXとOFLXの皮下投与による薬物動態ではGPFXはOFLXと比較して血漿中のCmaxは低く, T1/2が長く, AUCは低かった。しかし, 筋肉組織中のAUCはほぼ同等の値であった。これらは, GPFXの長い血中半減期と優れた組織移行性を示唆しており, 感染モデルでの治療効果を反映したものと考えられる。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.43.Supplement1_244