飲酒が心室細動の誘発に関与したと考えられたBrugada症候群の1症例

症例は25歳, 男性. 2010年1月9日飲酒中, 突然5分程度の意識消失を認めた. 同席者が心肺停止を確認している. 近医に搬送され, 診察中に動悸を訴え, 心電図モニターをつけたところ, 心室性期外収縮の散発から心室細動(VF)となり, 電気的除細動200Jで自己心拍再開し, 当院に搬送された. 既往歴に特記すべきこと. 家族歴に母方の祖母の弟が30歳代でCPA蘇生歴あり. 心電図は洞調律でtype1 Brugada型心電図であった. 冠動脈造影では, 優位狭窄はみられず, アセチルコリン負荷によるspasm誘発では, 左冠動脈で, び漫性に狭窄し陽性と判断した. 心臓電気生理学的検査(E...

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Published in心臓 Vol. 43; no. SUPPL.2; pp. S2_18 - S2_22
Main Authors 奥村, 恭男, 国本, 聡, 真野, 博明, 平山, 篤志, 渡辺, 一郎, 大久保, 公恵, 小船, 雅義, 永嶋, 孝一, 中井, 俊子, 笠巻, 祐二, 小船, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2011
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.43.S2_18

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Summary:症例は25歳, 男性. 2010年1月9日飲酒中, 突然5分程度の意識消失を認めた. 同席者が心肺停止を確認している. 近医に搬送され, 診察中に動悸を訴え, 心電図モニターをつけたところ, 心室性期外収縮の散発から心室細動(VF)となり, 電気的除細動200Jで自己心拍再開し, 当院に搬送された. 既往歴に特記すべきこと. 家族歴に母方の祖母の弟が30歳代でCPA蘇生歴あり. 心電図は洞調律でtype1 Brugada型心電図であった. 冠動脈造影では, 優位狭窄はみられず, アセチルコリン負荷によるspasm誘発では, 左冠動脈で, び漫性に狭窄し陽性と判断した. 心臓電気生理学的検査(EPS)では, 右室流出路より心室期外刺激600/240/230msで, 再現性をもってVFが誘発された. 植込み型除細動器(ICD)植え込みを施行し退院したが, 5月3日飲酒中に, VFでICDが4回作動していた. VFの出現は, いずれも飲酒中であり, Brugada症候群で飲酒が誘因となった報告は, 珍しく, 報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.S2_18