予防的植込み型除細動器植込み後に心室細動を発症したBrugada症候群の1例
症例は41歳, 男性. 39歳時の健康診断で心電図異常を指摘され, 来院した. 肋間上の心電図でtype1 Brugada心電図を認めた. 加算平均心電図では心室遅延電位陽性であった. その後, 経過中に間欠的なQRS幅の増大が認められたため, 心臓電気生理学的検査を施行した. 右室心尖部, 右室流出路からの心室プログラム刺激で再現性をもって心室細動(VF)が誘発された. 無症候性で明らかな家族歴もなかったが, QRS幅増大という伝導遅延の所見が認められたため, 予防的に植込み型除細動器(ICD)を植込んだ. その後の経過中の心電図記録では常時QRS幅は延長していた. ICD植込み24カ月後,...
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Published in | 心臓 Vol. 43; no. SUPPL.2; pp. S2_12 - S2_17 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2011
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Subjects | |
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Summary: | 症例は41歳, 男性. 39歳時の健康診断で心電図異常を指摘され, 来院した. 肋間上の心電図でtype1 Brugada心電図を認めた. 加算平均心電図では心室遅延電位陽性であった. その後, 経過中に間欠的なQRS幅の増大が認められたため, 心臓電気生理学的検査を施行した. 右室心尖部, 右室流出路からの心室プログラム刺激で再現性をもって心室細動(VF)が誘発された. 無症候性で明らかな家族歴もなかったが, QRS幅増大という伝導遅延の所見が認められたため, 予防的に植込み型除細動器(ICD)を植込んだ. その後の経過中の心電図記録では常時QRS幅は延長していた. ICD植込み24カ月後, 睡眠中の午前1時46分にICD作動を自覚した. ICDの心内心電図でVFによる適切作動を認めた. 本例では, 心室細動の発生に伝導遅延の関与が考えられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.43.S2_12 |