両側鼻副鼻腔に発生した若年性 血管線維腫の1症例

19歳男性の両側鼻副鼻腔に発生した若年性血管線維腫の1例を報告した。この症例は右鼻閉を主訴に来院し, 右鼻腔原発の若年性血管線維腫の診断にて, 栄養血管塞栓術後, 経上顎的に腫瘍摘出術を施行した。経過良好であったが, 2年半後に対側の左鼻出血を主訴に再来し, 諸検査にて左上顎洞原発の若年性血管線維腫が疑われ, 栄養血管塞栓術後, 左上顎洞内の腫瘍摘出術を施行した。病理組織診にて若年性血管線維腫の診断であった。両側鼻副鼻腔に発生した若年性血管線維腫は過去に報告されたものはなく, 極めて稀な症例と思われた。また術前における栄養血管塞栓術にて術中出血量は軽減した。...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 41; no. 5; pp. 491 - 495
Main Authors 田村, 悦代, 北原, 哲, 中屋, 宗雄, 中之坊, 学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.10.1998
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo1958.41.491

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Summary:19歳男性の両側鼻副鼻腔に発生した若年性血管線維腫の1例を報告した。この症例は右鼻閉を主訴に来院し, 右鼻腔原発の若年性血管線維腫の診断にて, 栄養血管塞栓術後, 経上顎的に腫瘍摘出術を施行した。経過良好であったが, 2年半後に対側の左鼻出血を主訴に再来し, 諸検査にて左上顎洞原発の若年性血管線維腫が疑われ, 栄養血管塞栓術後, 左上顎洞内の腫瘍摘出術を施行した。病理組織診にて若年性血管線維腫の診断であった。両側鼻副鼻腔に発生した若年性血管線維腫は過去に報告されたものはなく, 極めて稀な症例と思われた。また術前における栄養血管塞栓術にて術中出血量は軽減した。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.41.491