突発性難聴における聴力型と予後

突発性難聴新鮮例204例, 213耳につき, 主として聴力型との関連において治療予後を分析し次のような結果を得た。 1.低音障害型, 中音障害型が特に予後良好であり, ついで高音漸傾型, 水平型の順であった。 2.ほぼ同程度の聴力レベルの症例でも, 聴力型により予後が異なり, 又聴力型によっては聴力レベルの低下した症例でかならずしも予後不良とはならなかった。 3.めまいの合併率は聴力型により異なり, 又聴力型によってはめまい (+) の症例でかならずしも予後不良とはならなかった。 4.ほぼ同様な年齢分布の症例でも, 聴力型により予後が異なり, 又聴力型によっては50歳以上の症例でかならずしも予...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 35; no. 2; pp. 133 - 140
Main Author 伊藤, 文英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.04.1992
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo1958.35.133

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Summary:突発性難聴新鮮例204例, 213耳につき, 主として聴力型との関連において治療予後を分析し次のような結果を得た。 1.低音障害型, 中音障害型が特に予後良好であり, ついで高音漸傾型, 水平型の順であった。 2.ほぼ同程度の聴力レベルの症例でも, 聴力型により予後が異なり, 又聴力型によっては聴力レベルの低下した症例でかならずしも予後不良とはならなかった。 3.めまいの合併率は聴力型により異なり, 又聴力型によってはめまい (+) の症例でかならずしも予後不良とはならなかった。 4.ほぼ同様な年齢分布の症例でも, 聴力型により予後が異なり, 又聴力型によっては50歳以上の症例でかならずしも予後不良とはならなかった。 以上の結果から聴力型は予後を左右する最も重要な因子と考えられた。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo1958.35.133