Pt/MnSb2層膜を熱処理して作製したPtMnSb膜の磁気光学特性

ガラス基板上にPtとMnSbの2層膜を蒸着法で作製し, これを熱処理して白金マンガンアンチモンPtMnSb膜を作製した.MnSb層のc面が配向していると (111) 面が優先的に配向したPtMnSb膜が得られ, 配向性は厚い膜を低温で熱処理するほど高い.熱処理によりPtNnSbが生成する過程をX線回折と極カー回転角の測定により調べた.PtとMnSbが膜厚方向に1次元的に拡散するモデルを用いてPtMnSbの生成過程を解析し, 実験結果と比較した.その結果, 低温の熱処理では厚さ方向の1次元的な拡散が優勢であるが, 高温熱処理では結晶粒界を通しての拡散が顕著になると考えられる.膜側のカー回転角の波...

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Published inテレビジョン学会誌 Vol. 44; no. 10; pp. 1343 - 1348_1
Main Authors 岩切, 英之, 増田, 守男, 塩見, 繁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 映像情報メディア学会 20.10.1990
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ISSN0386-6831
1884-9652
DOI10.3169/itej1978.44.1343

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Summary:ガラス基板上にPtとMnSbの2層膜を蒸着法で作製し, これを熱処理して白金マンガンアンチモンPtMnSb膜を作製した.MnSb層のc面が配向していると (111) 面が優先的に配向したPtMnSb膜が得られ, 配向性は厚い膜を低温で熱処理するほど高い.熱処理によりPtNnSbが生成する過程をX線回折と極カー回転角の測定により調べた.PtとMnSbが膜厚方向に1次元的に拡散するモデルを用いてPtMnSbの生成過程を解析し, 実験結果と比較した.その結果, 低温の熱処理では厚さ方向の1次元的な拡散が優勢であるが, 高温熱処理では結晶粒界を通しての拡散が顕著になると考えられる.膜側のカー回転角の波長依存性は, 熱処理温度によらずバルクのそれとほぼ同じであり, (111) 配向性とカースペクトルの間には相関が認められない.しかし, ガラス側のカースペクトルは熱処理温度によってかなり異なり, ガラスとの境界層の微細構造が熱処理温度により異なることを示唆している.
ISSN:0386-6831
1884-9652
DOI:10.3169/itej1978.44.1343