マンモグラフィ併用検診導入に際しての視触診検診の精度管理について 医師会員600名の講習効果について
乳癌検診の目的は乳癌の死亡率を低下させることである。そのためには精度の高い検診と受診率の向上が必要である。今後マンモグラフィ併用検診を広く普及させるために, まず視触診の精度を十分に保った上で, マンモグラフィ検診を導入する必要がある。岡山県医師会では2002年から3回の基礎講習を受講した医師が視触診検診を担当することにした。その結果, 岡山県全体では約70,345人の受診者の癌発見率は0.13%, 岡山市では20,936人で, 癌発見率は0.17%であった。過去10年の平均癌発見率0.04~0.05%に比較して大幅な上昇が見られ, 基礎講習会は精度向上に大変有効であった。受診率の向上には,...
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Published in | 日本乳癌検診学会誌 Vol. 12; no. 1; pp. 38 - 43 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会
20.03.2003
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Subjects | |
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ISSN | 0918-0729 1882-6873 |
DOI | 10.3804/jjabcs.12.38 |
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Summary: | 乳癌検診の目的は乳癌の死亡率を低下させることである。そのためには精度の高い検診と受診率の向上が必要である。今後マンモグラフィ併用検診を広く普及させるために, まず視触診の精度を十分に保った上で, マンモグラフィ検診を導入する必要がある。岡山県医師会では2002年から3回の基礎講習を受講した医師が視触診検診を担当することにした。その結果, 岡山県全体では約70,345人の受診者の癌発見率は0.13%, 岡山市では20,936人で, 癌発見率は0.17%であった。過去10年の平均癌発見率0.04~0.05%に比較して大幅な上昇が見られ, 基礎講習会は精度向上に大変有効であった。受診率の向上には, 現在の医療制度のもとでは, かかりつけ医 (プライマリケアードクター) の参入が必要で, かかりつけ医のもとで精度の高いマンモグラフィ併用検診導入のシステム作りを進めている。さらに国, 行政, 医師会, 学会, マスコミ, 企業, 各種団体など官民が一体となった「乳癌撲滅の国民運動」を展開する必要がある。 |
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ISSN: | 0918-0729 1882-6873 |
DOI: | 10.3804/jjabcs.12.38 |