第一次世界大戦原因論に関する一考察 開戦 100 年後の議論をふまえて

2022 年度から実施される『高等学校学習指導要領』では、歴史系科目の構成と内容が大きく変更された。「問い」を設定し、資料から読み取ったことを活用して多面的・多角的な視点から「問い」の課題について探究していくような学習が想定されている。生徒が「主体的・対話的で深い学び」を実現できるように授業担当者が適切に生徒をファシリテートするためには、歴史学の新しい成果をつかんでおくことが従来よりも大切になってくる。このような問題意識から、国際バカロレアにおける「歴史」の実践もふまえながら、第一次世界大戦の原因論を取り上げ、歴史学における議論の整理を試みた。第二次世界大戦と併せて「20世紀の三十年戦争」とし...

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Published in開智国際大学紀要 Vol. 21; no. 1; pp. 49 - 63
Main Author 山本, 勝治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 開智学園 開智国際大学 15.02.2022
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ISSN2433-4618
DOI10.24581/kaichi.21.1_49

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Summary:2022 年度から実施される『高等学校学習指導要領』では、歴史系科目の構成と内容が大きく変更された。「問い」を設定し、資料から読み取ったことを活用して多面的・多角的な視点から「問い」の課題について探究していくような学習が想定されている。生徒が「主体的・対話的で深い学び」を実現できるように授業担当者が適切に生徒をファシリテートするためには、歴史学の新しい成果をつかんでおくことが従来よりも大切になってくる。このような問題意識から、国際バカロレアにおける「歴史」の実践もふまえながら、第一次世界大戦の原因論を取り上げ、歴史学における議論の整理を試みた。第二次世界大戦と併せて「20世紀の三十年戦争」として関連させて捉える場合、第一次世界大戦は現代史の起点となる。誰も意図していなかったにもかかわらず、様々な要因が関連し合って戦争が始まってしまったという見方や、それへの反論、ドイツやイギリスの責任論、等、様々な議論がなされている。特に開戦100 周年の 1914 年以降に出版された書籍に注目しながら原因論について考察を加え、その歴史的意義についてあらためて確認した。
ISSN:2433-4618
DOI:10.24581/kaichi.21.1_49