頭部外傷後早期に出現する発作性頭位眩暈症の検討

1) 頭部外傷後1週間以内に発作性頭位眩暈をきたした25例について,神経耳科学的検討を加えた. 2) 全例において,頭位変換眼振検査において,眩暈感を伴った反対回旋性の頭位変換眼振を認めた. 3) 受傷側と頭位変換眼振検査時の懸垂頭位における眼振の方向との間に一定の関係を見い出すことはできなかった. 4) 予後,眼振所見から原因として内耳の部分障害が考えられた. 5) 臨床経過は概ね良好であったが,神経耳科学的に中枢障害の所見を認めた11例は,他の11例に比べて治癒期間は延長する傾向がみられた....

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 90; no. 3; pp. 372 - 375
Main Authors 斎藤, 雄一郎, 鴫原, 俊太郎, 多賀谷, 泰弘, 阿部, 博章, 生井, 明浩, 田中, 正美
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.03.1987
日本耳鼻咽喉科学会
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Summary:1) 頭部外傷後1週間以内に発作性頭位眩暈をきたした25例について,神経耳科学的検討を加えた. 2) 全例において,頭位変換眼振検査において,眩暈感を伴った反対回旋性の頭位変換眼振を認めた. 3) 受傷側と頭位変換眼振検査時の懸垂頭位における眼振の方向との間に一定の関係を見い出すことはできなかった. 4) 予後,眼振所見から原因として内耳の部分障害が考えられた. 5) 臨床経過は概ね良好であったが,神経耳科学的に中枢障害の所見を認めた11例は,他の11例に比べて治癒期間は延長する傾向がみられた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.90.372