自律神経機能解析から見たSGB反復回数についての検討

星状神経節ブロック (SGB) 反復療法時の自律神経機能を, 心拍変動解析法により検討した. 対象は顔面・手足のしびれ, 下肢脱力感等を主訴とする1脳髄膜炎後遺症患者で, 約2年間にわたってSGB療法を200回行なったものにつき追跡したものである. まず交感神経の面からみると, 左右いずれのSGB直後でも, その都度明らかに交感神経の方が強くブロックされ, 迷走神経機能がわずかに優位となるが, 迷走神経機能の面からのみみると, 左SGBの場合にむしろ迷走神経も抑制されることが多いことを示した. また50回くらいまではSGBによる交感・副交感の自律神経系バランス調整効果が認められ, その後90回...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 2; no. 3; pp. 387 - 393
Main Authors 後藤, 幸生, 新江, 聡, 安田, 善一, 竹内, 健二, 杉浦, 良啓
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 25.10.1995
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:星状神経節ブロック (SGB) 反復療法時の自律神経機能を, 心拍変動解析法により検討した. 対象は顔面・手足のしびれ, 下肢脱力感等を主訴とする1脳髄膜炎後遺症患者で, 約2年間にわたってSGB療法を200回行なったものにつき追跡したものである. まず交感神経の面からみると, 左右いずれのSGB直後でも, その都度明らかに交感神経の方が強くブロックされ, 迷走神経機能がわずかに優位となるが, 迷走神経機能の面からのみみると, 左SGBの場合にむしろ迷走神経も抑制されることが多いことを示した. また50回くらいまではSGBによる交感・副交感の自律神経系バランス調整効果が認められ, その後90回まではなんとか異常な交感神経の被刺激度, 興奮度, 活動性を抑制して, 反復SGB療法は一定回数までは自覚・他覚的にも症状の改善に寄与した. しかしその後は反応が逆転することが多くなり, 効果が認められなかった. また経過中, SGBに対しいつもと異なる反応を呈したときは, 患者のその日の体調が特に変調をきたしていたときである可能性を示唆した.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc1994.2.387