潜在性肝障害に関する研究 日常肝機能検査で偶然発見された血清トランスアミナーゼ軽度上昇例の臨床および生検肝組織像の検討
偶然の機会に発見されSGOT, SGPTが軽度上昇を示し臨床的に鑑別診断が困難な137例の肝組織,腹腔鏡所見,臨床事項を検討した.組織像は慢性肝炎非活動性41,活動性19,肝硬変25,脂肪肝25,急性肝炎10, NSRH 7,肝線維症2,正常5であり,肝表面は平滑49,凹凸軽度26,中等度35,高度27,赤色22,黄色20,白色34,斑紋26,正常9であった.平均年齢は40歳台,肝硬変のみ50歳で男子は慢性肝炎非活動性,正常群を除く各群で女子の4~7倍,輸血歴は非活動性にのみ32%と高く,手術歴,既往歴,主訴について特徴はみられず,飲酒の影響は肝硬変にのみ認められた.HBsは慢性肝炎活動性44...
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Published in | 肝臓 Vol. 21; no. 5; pp. 567 - 575 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
01.05.1980
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.21.567 |
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Summary: | 偶然の機会に発見されSGOT, SGPTが軽度上昇を示し臨床的に鑑別診断が困難な137例の肝組織,腹腔鏡所見,臨床事項を検討した.組織像は慢性肝炎非活動性41,活動性19,肝硬変25,脂肪肝25,急性肝炎10, NSRH 7,肝線維症2,正常5であり,肝表面は平滑49,凹凸軽度26,中等度35,高度27,赤色22,黄色20,白色34,斑紋26,正常9であった.平均年齢は40歳台,肝硬変のみ50歳で男子は慢性肝炎非活動性,正常群を除く各群で女子の4~7倍,輸血歴は非活動性にのみ32%と高く,手術歴,既往歴,主訴について特徴はみられず,飲酒の影響は肝硬変にのみ認められた.HBsは慢性肝炎活動性44%,非活動性17%,肝硬変21%に陽性であった.ZTT, ICGは慢性肝炎活動性,肝硬変に異常率が高く,SGPTは急性肝炎に中等度の上昇がみられた.6ヵ月後のSGOT, SGPTは脂肪肝,NSRH,正常群では正常化しその他の群では異常が継続した. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.21.567 |