微細石灰化像からみた乳癌の診断と治療

[背景と目的] マンモグラフィで微細石灰化のみを呈する乳癌 (以下MC癌) の乳管内成分はcomedotype (C) とnon-comedo type (N.C) があり, それぞれの臨床的な意義と治療成績が異なることがある。今回, 両者の診断と治療法について検討した。 [対象と方法] 1) MC癌 (102例) の石灰化の所見から乳管内成分の推測。 2) 浸潤とリンパ節転移の有無。 3) 石灰化進展径と組織学的進展径の相関。 4) 温存手術成績。 [結果] C typeは形態ではlinear/branching : 77%, pleomorphic : 33%。分布はgrouped : 3...

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Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 13; no. 2; pp. 159 - 166
Main Authors 渡辺, 良二, 難波, 清, 古澤, 秀実, 白水, 光紀, 松, 敬文, 広利, 浩一, 中原, 浩, 安田, 由紀子, 松永, 忠東, 秋山, 太, 坂元, 吾偉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 20.06.2004
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Summary:[背景と目的] マンモグラフィで微細石灰化のみを呈する乳癌 (以下MC癌) の乳管内成分はcomedotype (C) とnon-comedo type (N.C) があり, それぞれの臨床的な意義と治療成績が異なることがある。今回, 両者の診断と治療法について検討した。 [対象と方法] 1) MC癌 (102例) の石灰化の所見から乳管内成分の推測。 2) 浸潤とリンパ節転移の有無。 3) 石灰化進展径と組織学的進展径の相関。 4) 温存手術成績。 [結果] C typeは形態ではlinear/branching : 77%, pleomorphic : 33%。分布はgrouped : 32%, segmental : 53%, linear/branchingでsegmentalなら92%。C typeは51%浸潤癌で, そのうち23%にリンパ節転移を認めたが, NCtypeはそれぞれ19%, 9%。石灰化進展径と組織学的進展径の相関係数はC type : 0.9, NC type : 0.6。石灰化進展径25mm以下での温存成功率はC type : 85%, N.C type : 70%。 [結語] 石灰化の所見から乳管内成分と乳管内進展の程度が予測でき, 温存手術の適応も検討することが可能で, C typeの可能性があれば積極的な確定診断が必要である
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.13.159