胃顆粒細胞腫の2切除例

極めてまれな胃原発顆粒細胞腫の2切除例を経験したので報告する. 症例1は40歳の男性で, 主訴は胃検診での異常. 内視鏡検査で胃底部大彎側に直径約1.5cm大の大臼歯様の粘膜下腫瘍を認め, 生検で顆粒細胞腫と診断された. 悪性が否定できないため腹腔鏡下胃楔状切除術を施行した. 症例2は42歳の女性で, 主訴は心窩部痛. 内視鏡検査で胃体下部小彎側に直径約1.5cm大の粘膜下腫瘍を認めた. カルチノイドを否定できなかったため小開腹下胃楔状切除術を施行した. 切除標本の病理組織学的検査所見では2症例とも腫瘍は粘膜下層に存在し, 細胞質内に小胞巣や束状構造を伴う明瞭な顆粒を有し, これらの細胞質内顆...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 41; no. 11; pp. 1916 - 1920
Main Authors 佐野, 浩一郎, 新名, 一郎, 日高, 秀樹, 前原, 直樹, 長池, 幸樹, 内山, 周一郎, 佛坂, 正幸, 丸塚, 浩助, 秋山, 裕, 千々岩, 一男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2008
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:極めてまれな胃原発顆粒細胞腫の2切除例を経験したので報告する. 症例1は40歳の男性で, 主訴は胃検診での異常. 内視鏡検査で胃底部大彎側に直径約1.5cm大の大臼歯様の粘膜下腫瘍を認め, 生検で顆粒細胞腫と診断された. 悪性が否定できないため腹腔鏡下胃楔状切除術を施行した. 症例2は42歳の女性で, 主訴は心窩部痛. 内視鏡検査で胃体下部小彎側に直径約1.5cm大の粘膜下腫瘍を認めた. カルチノイドを否定できなかったため小開腹下胃楔状切除術を施行した. 切除標本の病理組織学的検査所見では2症例とも腫瘍は粘膜下層に存在し, 細胞質内に小胞巣や束状構造を伴う明瞭な顆粒を有し, これらの細胞質内顆粒はPAS陽性, 免疫組織染色でS-100蛋白陽性で, 顆粒細胞腫と診断した. 本邦報告例は自験2例を含め34例とまれな疾患であり, 文献的考察を加え報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.41.1916