一期的に肺葉切除及び胸骨切除再建術を施行した胸骨転移合併肺癌の一例 孤立性骨転移肺癌症例の手術適応に関する考察

腫大した胸骨転移にて発見された肺癌症例に対して左上葉切除と胸骨切除再建を一期的に施行したので報告する.症例は50歳, 男性.胸骨と左上肺野に腫瘍を認め, 胸骨生検と気管支細胞診の結果から, 原発性肺癌とその胸骨転移との診断を得た.胸骨以外には転移巣を認めないこと, 肺癌, 胸骨転移巣がそれぞれ切除可能であること, 縦隔リンパ節転移を認めないこと等から一期的切除を行う方針とした.胸骨の切除範囲は, 第2肋骨上縁から第4肋骨下縁までとし, 周囲の肋骨ごとen blocに切除した.続いて左第4肋間開胸で, 左上葉切除とリンパ節郭清を行い, 胸骨欠損部はMethyl methacrylic resin...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 15; no. 7; pp. 752 - 757
Main Authors 前川, 功二, 田中, 明彦, 田中, 利明, 大澤, 久慶, 佐藤, 諦
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2001
Subjects
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.15.752

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Summary:腫大した胸骨転移にて発見された肺癌症例に対して左上葉切除と胸骨切除再建を一期的に施行したので報告する.症例は50歳, 男性.胸骨と左上肺野に腫瘍を認め, 胸骨生検と気管支細胞診の結果から, 原発性肺癌とその胸骨転移との診断を得た.胸骨以外には転移巣を認めないこと, 肺癌, 胸骨転移巣がそれぞれ切除可能であること, 縦隔リンパ節転移を認めないこと等から一期的切除を行う方針とした.胸骨の切除範囲は, 第2肋骨上縁から第4肋骨下縁までとし, 周囲の肋骨ごとen blocに切除した.続いて左第4肋間開胸で, 左上葉切除とリンパ節郭清を行い, 胸骨欠損部はMethyl methacrylic resinにMarlex meshをサソドイッチさせた方法で再建した.術後は, 感染や胸壁の動揺もなく, 職場に復帰したが, 癌再発にて1年後に死亡した.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.15.752