気管支肺胞洗浄液所見で好酸球増加を示した剥離性間質性肺炎の1例

症例は, 76歳の男性. 主訴は, 労作時呼吸困難. 1994年7月, 近医で胸部X線写真上, 間質性の陰影を指摘され, 精査目的に当センターに入院. 自覚症状は. 経気管支肺生検 (TBLB) では, ごく軽度の円形細胞浸潤を伴う胞隔炎の所見のみ. 右B4aから得られた気管支肺胞洗浄液所見では, 好酸球増加 (26%) が見られたが, TBLB標本には, 著明な好酸球浸潤は見られなかった. 低酸素血症はなく, 無治療で経過観察とした. しかし, 1995年6月ごろ, 労作時呼吸困難が出現, 画像所見で陰影の増強, 呼吸機能検査で拡散能の低下が見られ再入院した. 入院検査所見では, LDHの上...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 35; no. 10; pp. 1084 - 1092
Main Authors 久保, 雅子, 新野, 史, 越野, 健, 清水, 久裕, 豊田, 恵美子, 可部, 順三郎, 工藤, 宏一郎, 黨, 康夫
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.10.1997
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.35.1084

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Summary:症例は, 76歳の男性. 主訴は, 労作時呼吸困難. 1994年7月, 近医で胸部X線写真上, 間質性の陰影を指摘され, 精査目的に当センターに入院. 自覚症状は. 経気管支肺生検 (TBLB) では, ごく軽度の円形細胞浸潤を伴う胞隔炎の所見のみ. 右B4aから得られた気管支肺胞洗浄液所見では, 好酸球増加 (26%) が見られたが, TBLB標本には, 著明な好酸球浸潤は見られなかった. 低酸素血症はなく, 無治療で経過観察とした. しかし, 1995年6月ごろ, 労作時呼吸困難が出現, 画像所見で陰影の増強, 呼吸機能検査で拡散能の低下が見られ再入院した. 入院検査所見では, LDHの上昇がみられた. 腫瘍マーカーの上昇はなかった. 開胸肺生検で, 剥離性間質性肺炎と診断した. プレドニゾロン45mg/day (1mg1kg1day) の投与を開始し, 1ヵ月後には, 画像所見, 検査所見ともに著明な改善がみられた.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.35.1084