肝生検による肝組織像からみた経皮的胆管ドレナージ効果

閉塞性黄疸患者23例に経皮的胆管ドレナージと同時に, 肝針生検を実施し, 肝組織像と減黄効果を比較検討した.肝組織像は肝細胞, グ鞘の変化がごく少ないA型14例, グ鞘の細胞浸潤, 線維増生が中等度で肝細胞変性の軽度なB型6例, グ鞘の変化は中等度で肝細胞の変性壊死が著明なC型3例の3型に分けられた.黄疸軽減効果は減黄良好なI型12例, 減黄が遷延するII型9例, 減黄無効なIII型2例に分けられた.A型ではI型11例, II型3例で減黄はほぼ良好であり, B型ではI型1例, II型5例で減黄は遷延するが死亡例はなく, C型はII型1例, III型2例で, 減黄無効で2例は死亡し.肝組織の変化...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 18; no. 11; pp. 2314 - 2322
Main Authors 木村, 靖宏, 大原, 啓介, 奥井, 勝二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1985
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Summary:閉塞性黄疸患者23例に経皮的胆管ドレナージと同時に, 肝針生検を実施し, 肝組織像と減黄効果を比較検討した.肝組織像は肝細胞, グ鞘の変化がごく少ないA型14例, グ鞘の細胞浸潤, 線維増生が中等度で肝細胞変性の軽度なB型6例, グ鞘の変化は中等度で肝細胞の変性壊死が著明なC型3例の3型に分けられた.黄疸軽減効果は減黄良好なI型12例, 減黄が遷延するII型9例, 減黄無効なIII型2例に分けられた.A型ではI型11例, II型3例で減黄はほぼ良好であり, B型ではI型1例, II型5例で減黄は遷延するが死亡例はなく, C型はII型1例, III型2例で, 減黄無効で2例は死亡し.肝組織の変化から黄疸軽減効果の予測が可能である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.18.2314