めまい患者における日常生活支障度の経時的変化
めまい患者の日常生活動作支障度に関する追跡調査を行い, 薬効評価への応用の可能性を含めて統計学的に検討した。対象は耳鼻科外来で薬物治療のみを行った亜急性期または慢性期のめまい患者83例 (男性25例, 女性58例, 平均年齢60.8歳, 平均観察期間2.8ヵ月) である。末梢性めまい群では動作全般に改善傾向が認められた。特に改善傾向が高かった動作は歩行中の方向転換と起臥動作であった (符号順位検定, p<0.001)。一方, 中枢性めまい群では有意の改善傾向を示さなかった。自記式質問紙法による本調査は末梢性めまい群における日常生活支障度の経時的評価に有用であった。一方, 中枢性めまい群の...
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Published in | 耳鼻咽喉科展望 Vol. 37; no. 1; pp. 69 - 74 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
耳鼻咽喉科展望会
15.02.1994
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ISSN | 0386-9687 1883-6429 |
DOI | 10.11453/orltokyo1958.37.69 |
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Summary: | めまい患者の日常生活動作支障度に関する追跡調査を行い, 薬効評価への応用の可能性を含めて統計学的に検討した。対象は耳鼻科外来で薬物治療のみを行った亜急性期または慢性期のめまい患者83例 (男性25例, 女性58例, 平均年齢60.8歳, 平均観察期間2.8ヵ月) である。末梢性めまい群では動作全般に改善傾向が認められた。特に改善傾向が高かった動作は歩行中の方向転換と起臥動作であった (符号順位検定, p<0.001)。一方, 中枢性めまい群では有意の改善傾向を示さなかった。自記式質問紙法による本調査は末梢性めまい群における日常生活支障度の経時的評価に有用であった。一方, 中枢性めまい群の日常生活支障度に対しては, さらに治療法や評価法を検討していく余地があると思われた。 |
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ISSN: | 0386-9687 1883-6429 |
DOI: | 10.11453/orltokyo1958.37.69 |