膵切除術後に発症したClostridium perfringens肝膿瘍破裂の1例
症例は62歳の女性で, 他施設で膵頭十二指腸切除を施行された. 術後35日後に突然40度の発熱があり, 肝膿瘍が判明したため, 抗菌薬投与を開始した. 経皮的ドレナージを予定していたが, 12時間後には症状が急激に増悪したため当院へ搬送された. 膿瘍の急激な進展と多量の門脈ガス, 腹腔内free airを認めたため, 緊急開腹を行った. 開腹時に腹腔内からガスが噴出したが, 消化管穿孔や縫合不全などは認めなかった. 肝膿瘍の破裂によるfree airと考えられた.術中肝組織と腹水からClostridium perfringensが同定された. 術後, 進行する高度の溶血を伴う肝不全, 循環不全...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 40; no. 12; pp. 1910 - 1914 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2007
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Summary: | 症例は62歳の女性で, 他施設で膵頭十二指腸切除を施行された. 術後35日後に突然40度の発熱があり, 肝膿瘍が判明したため, 抗菌薬投与を開始した. 経皮的ドレナージを予定していたが, 12時間後には症状が急激に増悪したため当院へ搬送された. 膿瘍の急激な進展と多量の門脈ガス, 腹腔内free airを認めたため, 緊急開腹を行った. 開腹時に腹腔内からガスが噴出したが, 消化管穿孔や縫合不全などは認めなかった. 肝膿瘍の破裂によるfree airと考えられた.術中肝組織と腹水からClostridium perfringensが同定された. 術後, 進行する高度の溶血を伴う肝不全, 循環不全によって, 転院22時間後に死亡した. 急激な黄疸の進行を認めた場合, 術後後期合併症の一つとしてClostridium感染症の可能性を念頭においた早期治療の開始が救命のために必須であると考えられた. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.40.1910 |