骨格筋転移を来した皮膚筋炎合併胃癌の1例

皮膚筋炎合併胃癌において骨格筋転移を来した極めてまれな1例を経験したので報告する. 症例は65歳の男性で, 主訴は筋力低下, 食欲不振. 顔面・前胸部に不定形紅班あり. 両側手指背側にゴットロン兆候あり. CPK高値と胃体上部に3型腫瘍を認めた. 皮膚筋炎合併胃癌と診断し, ステロイド投与開始3週後胃全摘術を施行した. 病理組織学的検査はpor1, pT2 (SS), pN1, pH1, pP0, CY0, pM0, Stage IVであった. 術後1か月目から約7か月間TS-1による化学療法を施行した. CEA値は正常化し筋力低下は改善した. 術後9か月目に右肩背側, 右大腿外側, 右膝上内...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 40; no. 12; pp. 1887 - 1892
Main Authors 森本, 芳和, 岩瀬, 和裕, 松田, 宙, 田中, 康博, 広田, 将司, 西川, 和宏, 藤井, 眞
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2007
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.40.1887

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Summary:皮膚筋炎合併胃癌において骨格筋転移を来した極めてまれな1例を経験したので報告する. 症例は65歳の男性で, 主訴は筋力低下, 食欲不振. 顔面・前胸部に不定形紅班あり. 両側手指背側にゴットロン兆候あり. CPK高値と胃体上部に3型腫瘍を認めた. 皮膚筋炎合併胃癌と診断し, ステロイド投与開始3週後胃全摘術を施行した. 病理組織学的検査はpor1, pT2 (SS), pN1, pH1, pP0, CY0, pM0, Stage IVであった. 術後1か月目から約7か月間TS-1による化学療法を施行した. CEA値は正常化し筋力低下は改善した. 術後9か月目に右肩背側, 右大腿外側, 右膝上内側に有痛性の腫瘤が出現した. MRIにて右外側広筋, 棘下筋内にリング状に濃染される腫瘤像を認めた. 大腿外側の経皮吸引針生検にて転移性腺癌と診断した. Paclitaxelによる化学療法を開始したが, 肝転移巣の増大, 傍大動脈リンパ節の腫大と腹水を認め, 術後11か月で死亡した.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.40.1887