新キノロン系抗菌薬gatifloxacinのin vitro及びin vivo抗菌作用
新キノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) のin vitro及びin vivo抗菌作用を, sparfloxacin (SPFX), tosufloxacin (TFLX), ciprofloxacin (CPFX) 及びofloxacin (OFLX) を対照薬として比較検討し, 以下の成績を得た。 GFLXは広範囲な抗菌スペクトラムを有し, メチシリン耐性Staphylococcus aureus subsp.aureus (MRSA) を含むStaphylococcus属, Streptococcus属及びEnterrococcs属などのグラム陽性球菌に対し, CPFX及...
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Published in | 日本化学療法学会雑誌 Vol. 47; no. Supplement2; pp. 69 - 80 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
27.09.1999
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Subjects | |
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ISSN | 1340-7007 1884-5886 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1995.47.Supplement2_69 |
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Summary: | 新キノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) のin vitro及びin vivo抗菌作用を, sparfloxacin (SPFX), tosufloxacin (TFLX), ciprofloxacin (CPFX) 及びofloxacin (OFLX) を対照薬として比較検討し, 以下の成績を得た。 GFLXは広範囲な抗菌スペクトラムを有し, メチシリン耐性Staphylococcus aureus subsp.aureus (MRSA) を含むStaphylococcus属, Streptococcus属及びEnterrococcs属などのグラム陽性球菌に対し, CPFX及びOFLXより強く, SPFX, TFLXと同等の抗菌力を示した。腸内細菌科の菌種, Pseudomonas aeruginosaを除くブドウ糖非発酵菌に対してはSPFX, TFLX, CPFX, OFLXと同等の強い抗菌力を示した。P.aeruginosaに対する抗菌力はSPFX, OFLXと同等であった。Bacteroides fragilisに対してはいずれの対照薬よりも強い抗菌力を示した。 S.aureus subsp.aureus Smith, Strptococcus pneumoniae TMS3, Escherichia coli C11及びP.aeruginosa E7を用いたマウス全身感染モデルに対するGFLXの経口投与の治療効果はSPFXと同等であった。S.pneumoniae TMS3感染モデルでは, GFLXはTFLX, OFLX及びCPFXよりも5~8倍優れた効果を示し, S.aureus subsp.aureus Smith感染モデルでもOFLX, CPFXよりも4~8倍優れた効果を示した。 S.pneumoniae TMS3を感染菌とする経鼻肺感染モデルにおけるGFLXの治療効果はCPFX及びOFLXより優れていた。 GFLXをマウスに50mg/kg経口投与後の血清中, 肺内及び腎内最高濃度は, 各々3.86±0.61μg/mL (投与・15分後), 7.80±6.58μg/g (2時間後) 及び16.49±4.69μ9/9 (30分後) であった。これらの濃度は腎内濃度を除きOFLXよりも低い値であったが, CPFX, TFLXよりも2~6倍高い値であり, SPFXのそれに近似した。本薬の優れた治療効果は, その高い抗菌活性と優れた組織分布によるものと考えられた。 |
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ISSN: | 1340-7007 1884-5886 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1995.47.Supplement2_69 |