pT3胸部食道癌に対する胸腔鏡下食道切除の根治性の検討

はじめに: pT3食道癌に対する根治術としての胸腔鏡下食道切除の是非について, historical controlであるが通常開胸例と比較することにより検討した.対象と方法: 胸腔鏡下に食道切除・リンパ節郭清を行ったpT3食道癌28例 (VATS群) と胸腔鏡下食道切除術導入以前に右開胸下に根治術を行ったpT3食道癌39例 (Control群) の臨床病理学的因子や手術侵襲の諸因子および術後合併症, 予後, 再発形式を比較した.結果: 両群の背景因子には差がなく, 胸腔内操作時間・出血量にも差がなかった. 術後合併症としては肺炎が最も多く, VATS群では乳び胸が2例にみられた. 5年生存率...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 36; no. 10; pp. 1359 - 1364
Main Authors 大杉, 治司, 木下, 博明, 田中, 芳憲, 田口, 伸一, 金子, 雅宏, 藤原, 有史, 李, 栄柱, 西澤, 聡, 福原, 研一朗, 竹村, 雅至
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2003
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.36.1359

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Summary:はじめに: pT3食道癌に対する根治術としての胸腔鏡下食道切除の是非について, historical controlであるが通常開胸例と比較することにより検討した.対象と方法: 胸腔鏡下に食道切除・リンパ節郭清を行ったpT3食道癌28例 (VATS群) と胸腔鏡下食道切除術導入以前に右開胸下に根治術を行ったpT3食道癌39例 (Control群) の臨床病理学的因子や手術侵襲の諸因子および術後合併症, 予後, 再発形式を比較した.結果: 両群の背景因子には差がなく, 胸腔内操作時間・出血量にも差がなかった. 術後合併症としては肺炎が最も多く, VATS群では乳び胸が2例にみられた. 5年生存率はVATS群53.6%・Control群45.1%で差がなく, リンパ節転移陽性例のみの生存率にも差がなかった.考察: pT3食道癌に対しても胸腔鏡下手術で従来の通常開胸と同等の根治性が得られた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.36.1359