放射線腸炎の臨床的検討

放射線腸炎手術例20例を検討し, また婦人科疾患のために60Coを照射後経過観察できた200例について放射線腸炎発生の頻度や要因を検討した. 手術は20例に対して計23回おこなわれ, その適応は出血8例, イレウス7例, 瘻孔6例, 穿孔2例であった.術式は腸切除術が1例でほかはすべて人工肛門造設術, by-pass手術などの姑息手術であったが, 23回の手術のうち19回 (83%) は有効と考えられた. 婦人科疾患のために60Co照射をおこない経過観察できた200例の検討では, 放射線腸炎による症状が27例 (13.5%) に発生し, とくに高齢者や内照射の併用例で発生頻度が高かった....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 19; no. 11; pp. 2253 - 2258
Main Authors 神田, 裕, 蜂須賀, 喜多男, 山口, 晃弘, 磯谷, 正敏, 深田, 伸二, 石橋, 宏之, 加藤, 純爾, 松下, 昌裕, 小田, 高司, 河村, 健雄, 原川, 伊寿
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1986
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Summary:放射線腸炎手術例20例を検討し, また婦人科疾患のために60Coを照射後経過観察できた200例について放射線腸炎発生の頻度や要因を検討した. 手術は20例に対して計23回おこなわれ, その適応は出血8例, イレウス7例, 瘻孔6例, 穿孔2例であった.術式は腸切除術が1例でほかはすべて人工肛門造設術, by-pass手術などの姑息手術であったが, 23回の手術のうち19回 (83%) は有効と考えられた. 婦人科疾患のために60Co照射をおこない経過観察できた200例の検討では, 放射線腸炎による症状が27例 (13.5%) に発生し, とくに高齢者や内照射の併用例で発生頻度が高かった.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.19.2253