脳卒中リハビリテーション患者における移動能力レベルの検討 東名式移動能力レベルTMLの信頼性と妥当性の検討

脳卒中患者においてはその移動能力がADL全体を反映する可能性があり, また移動能力は家庭復帰の重要な条件でもある.こうしたことから我々は脳卒中患者の移動能力を評価するスケールを開発するため, 脳卒中リハビリテーション患者の移動能力獲得過程を10段階にレベル化し, 東名式移動能力レベル (TML) とした.TMLは「できるレベル」で評価し, 車椅子移乗介助レベルを4段階, 車椅子移乗自立・杖歩行介助レベルを4段階, 杖歩行自立レベルを2段階の計10段階に分類した.脳卒中患者20例のTMLを2名の医師が同時に評価したところ完全一致率は85%であった.さらに脳卒中患者104例にTMLとBarthel...

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Published in脳卒中 Vol. 18; no. 5; pp. 358 - 362
Main Authors 山田, 悦雄, 村上, 信之, 伊藤, 栄一, 奥田, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 25.10.1996
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.18.358

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Summary:脳卒中患者においてはその移動能力がADL全体を反映する可能性があり, また移動能力は家庭復帰の重要な条件でもある.こうしたことから我々は脳卒中患者の移動能力を評価するスケールを開発するため, 脳卒中リハビリテーション患者の移動能力獲得過程を10段階にレベル化し, 東名式移動能力レベル (TML) とした.TMLは「できるレベル」で評価し, 車椅子移乗介助レベルを4段階, 車椅子移乗自立・杖歩行介助レベルを4段階, 杖歩行自立レベルを2段階の計10段階に分類した.脳卒中患者20例のTMLを2名の医師が同時に評価したところ完全一致率は85%であった.さらに脳卒中患者104例にTMLとBarthel Indexを評価し, その相関を検討したところ, 両者は良く相関し, Spearmanの順位相関係数は0.936であった.このことからTMLは高い信頼性を有し, 脳卒中患者のADLを反映するスケールであると考えられた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.18.358