肺原発T細胞性悪性リンパ腫の1例
症例は65歳, 女性. 住民検診にて胸部異常影を指摘され精査目的で当院に入院した. 入院時胸部エックス線写真では, 右肺門から中・下肺野に, 辺縁不明瞭, 不均一な淡い浸潤影を認め, 胸部CT写真ではS8領域に air bronchogram 陽性で非区域性, 辺縁不明瞭な浸潤影を認めた. S8の気管支鏡的肺生検にて肥厚した間質内に異型リンパ球の増殖を認め, 悪性リンパ腫を疑った. 右下葉切除術を施行し, その病理組織所見で, 肺胞内, 間質に, び漫性に腫瘍性に増殖した異型リンパ球を認めた. リンパ球は中型で, 類円形の核を有し, diffuse medium type であり, 免疫組織化...
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Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 33; no. 12; pp. 1454 - 1458 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.12.1995
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Subjects | |
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ISSN | 0301-1542 1883-471X |
DOI | 10.11389/jjrs1963.33.1454 |
Cover
Summary: | 症例は65歳, 女性. 住民検診にて胸部異常影を指摘され精査目的で当院に入院した. 入院時胸部エックス線写真では, 右肺門から中・下肺野に, 辺縁不明瞭, 不均一な淡い浸潤影を認め, 胸部CT写真ではS8領域に air bronchogram 陽性で非区域性, 辺縁不明瞭な浸潤影を認めた. S8の気管支鏡的肺生検にて肥厚した間質内に異型リンパ球の増殖を認め, 悪性リンパ腫を疑った. 右下葉切除術を施行し, その病理組織所見で, 肺胞内, 間質に, び漫性に腫瘍性に増殖した異型リンパ球を認めた. リンパ球は中型で, 類円形の核を有し, diffuse medium type であり, 免疫組織化学的検査では, UCHL-1 (+), MT-1 (+), OPD4 (CD4) (+), L-26 (-), MB-1 (-) であり, 本症例を肺原発T細胞性悪性リンパ腫と診断した. 肺原発T細胞リンパ腫は, 極めて稀と考え報告した. |
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ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
DOI: | 10.11389/jjrs1963.33.1454 |