覚醒時肺高血圧を合併した閉塞型睡眠時無呼吸症候群患者における睡眠時肺循環動態
覚醒時肺高血圧を合併した閉塞型睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) 患者6名 (平均年齢: 40歳, BMI: 39.0kg/m2, AHI: 51.5) を対象に, ポリソムノグラフィー下に右心力テーテルを施行し, 肺動脈圧変動における睡眠ステージの影響を検討した. REM期およびNREM期での無呼吸解除前後に認められる平均肺動脈圧 (PAPm) の最高値は, 各々56.3±12.4, 41.4±6.9mmHgで, 覚醒時のPAPm (31.1±7.4mmHg) より有意に高かった. また, 無呼吸前後での低酸素血症に対するPAPm上昇の反応性 (ΔPAPm/ΔSpO2) は, 両ステージ間でほ...
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Published in | 日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 35; no. 11; pp. 1173 - 1178 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
社団法人 日本呼吸器学会
25.11.1997
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Subjects | |
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ISSN | 0301-1542 1883-471X |
DOI | 10.11389/jjrs1963.35.1173 |
Cover
Summary: | 覚醒時肺高血圧を合併した閉塞型睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) 患者6名 (平均年齢: 40歳, BMI: 39.0kg/m2, AHI: 51.5) を対象に, ポリソムノグラフィー下に右心力テーテルを施行し, 肺動脈圧変動における睡眠ステージの影響を検討した. REM期およびNREM期での無呼吸解除前後に認められる平均肺動脈圧 (PAPm) の最高値は, 各々56.3±12.4, 41.4±6.9mmHgで, 覚醒時のPAPm (31.1±7.4mmHg) より有意に高かった. また, 無呼吸前後での低酸素血症に対するPAPm上昇の反応性 (ΔPAPm/ΔSpO2) は, 両ステージ間でほぼ同様の値を呈した (-0.57±0.27vs. -0.57±0.26mmHg/%) が, 無呼吸の経過中のSpO2 75%で比較したPAPmは, REM期では有意な高値を示した (48.7±11.2vs. 41.6±6.2mmHg). 覚醒時に肺高血圧を合併したOSAS患者においては, REM期には低酸素以外の因子の関与がさらに加わり, NREM期以上の著明な肺高血圧を呈すると考えられた. |
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ISSN: | 0301-1542 1883-471X |
DOI: | 10.11389/jjrs1963.35.1173 |