胆道癌再発に対する外科的治療

過去8年8か月間に相対非治癒切除以上の治癒度をもって切除しえた胆道癌症例のうち再発が確認されたのは42例で, うち9例に再発巣切除を, 5例に外科的動注療法 (3例は両者併用) を施行した. 再発巣切除により6か月~3年3か月, 平均1年7か月経過した4例の非担癌生存例が得られた. 癌死した4例でも平均生存期間は1年4か月で延命効果やquality of lifeの改善が得られたものと考えている. この経験から, 再発巣がその臓器内で限局性であれば臓器欠損に対する再建方法を考慮した上で, 積極的に切除にのぞむべきと考えられた. 特に手術創ないしは外胆汁瘻孔への癌細胞播種によると考えられる胸腹壁...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 21; no. 11; pp. 2562 - 2566
Main Authors 近藤, 哲, 二村, 雄次, 早川, 直和, 神谷, 順一, 久保田, 仁, 前田, 正司, 河野, 弘, 早川, 英男, 椰野, 正人, 井垣, 啓, 小木曽, 清二, 金井, 道夫, 道家, 充, 高木, 敏貴, 加藤, 政隆, 塩野谷, 恵彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1988
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Summary:過去8年8か月間に相対非治癒切除以上の治癒度をもって切除しえた胆道癌症例のうち再発が確認されたのは42例で, うち9例に再発巣切除を, 5例に外科的動注療法 (3例は両者併用) を施行した. 再発巣切除により6か月~3年3か月, 平均1年7か月経過した4例の非担癌生存例が得られた. 癌死した4例でも平均生存期間は1年4か月で延命効果やquality of lifeの改善が得られたものと考えている. この経験から, 再発巣がその臓器内で限局性であれば臓器欠損に対する再建方法を考慮した上で, 積極的に切除にのぞむべきと考えられた. 特に手術創ないしは外胆汁瘻孔への癌細胞播種によると考えられる胸腹壁再発例では, 視触診で早期に発見し状況が許せば開腹術も付加して十分に切除すべきである.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.21.2562