特異な胸部X線所見を呈したヒト肺犬糸状虫症の臨床的検討

著者らは最近, ヒト肺犬糸状虫症で胸部X線上で右上下肺野に1つずつの腫瘤影と胸水貯留があり自然経過にて右下肺野の腫瘤影と胸水が消失した症例, 同様に右下肺野に腫瘤影がありその経過中に胸水貯留を併発したが, ステロイド療法にて軽快した症例, および胸部X線上右下肺野の小腫瘤影内に空洞を伴った症例などを経験した. ヒト肺犬糸状虫症は, 本邦での報告が32例と稀な疾患であり, 胸部X線上では腫瘤影として異常を指摘されることが殆どである. 本稿では, 胸部X線上興味深い所見を呈した3症例を中心として, ヒト肺犬糸状虫症の臨床像につき文献的考察を加えて検討した....

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 27; no. 11; pp. 1274 - 1282
Main Authors 中島, 正光, 梅木, 茂宣, 矢木, 晋, 副島, 林造, 日隈, 慎一, 築山, 邦規
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 25.11.1989
Subjects
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.27.1274

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Summary:著者らは最近, ヒト肺犬糸状虫症で胸部X線上で右上下肺野に1つずつの腫瘤影と胸水貯留があり自然経過にて右下肺野の腫瘤影と胸水が消失した症例, 同様に右下肺野に腫瘤影がありその経過中に胸水貯留を併発したが, ステロイド療法にて軽快した症例, および胸部X線上右下肺野の小腫瘤影内に空洞を伴った症例などを経験した. ヒト肺犬糸状虫症は, 本邦での報告が32例と稀な疾患であり, 胸部X線上では腫瘤影として異常を指摘されることが殆どである. 本稿では, 胸部X線上興味深い所見を呈した3症例を中心として, ヒト肺犬糸状虫症の臨床像につき文献的考察を加えて検討した.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.27.1274